春の散歩! 土筆(つくし)を採りに行こう!
こんにちは
春の山菜のひとつ、土筆(つくし)。この時期たくさん生えているのを見かけることが多いと思います。
でも、土筆って昔から食べていたそうですが、観賞用目的の植物ですよね。
採ってきた土筆を食べるとしたら、どのようにして食べるのでしょうか。
そこで今日は『土筆(つくし)』についてお話をしたいと思います。
土筆(つくし)
土筆は正式にはスギナと呼ぶ植物です。北海道~九州までに分布し、河原や荒れ地、畑などによく生えているのを見かけます。春になると筆のようなものが顔を出しますが、これがスナギが胞子をつくる花に当たる部分(胞子茎)なんです。穂先には胞子を含んでいて、茎の途中途中に節の様な「ハカマ(袴)」と呼ばれる葉がついています。食用にする場合にはこのハカマを取り除いて食べます。
ちなみに、漢字で書くと「土筆」と書きますが、土に筆を逆さに挿したような形状からついた名前だと言われています。
土筆のアク
手軽な山菜の土筆ですが、チアミナーゼ、アルカロイド、無機ケイ素などのアクを含んでいます。心臓、肝臓が悪い人は注意が必要ですので食べる場合には、しっかりとしたアク抜きが条件になります。でも、土筆って「下処理」と「アク抜き」が少し面倒だったりします。でも、めげずに!やり方を紹介します。
手順は、下処理(袴取り) ⇨ 水洗い ⇨ アク抜き ⇨ 調理です。
土筆の下処理(袴取り)
茎には節ごとにギザギザの形をした葉がついていて、一般的に「袴(はかま)」と呼んでいます。お料理をする前には、必ずこの袴を取り除く下処理が必要になります。袴は繊維質のために硬く、最後まで口の中に残ってしまうので注意してくださいね。
取り除き方
親指の爪で袴の付け根を抑えます。
人差指で縦にむしり取りながら、袴を回す様に剥ぎ取ります。
下処理を終えたら、土筆に付いている汚れを水で洗い流します。
土筆のアク抜き方法
土筆はアクの強い山菜です。ジャガイモの芽にもある「アルカロイド」という毒素を微量に含んでいることもあるので、しっかり目にアク抜きをしてくださいね。
土筆のアク抜き方法
塩を少量(一つまみ)入れた熱湯に、土筆を入れ30秒程茹でます。
ザルにあげ、冷水に晒します。
数時間で新しい水に交換します。
これを半日ほど繰り返します。
最後に絞り、水気を切って、アク抜きは終了です。
茹で時間は調理方法によって異なります。おひたしで使う場合は、茹で時間は長くなり5分程かかります。きんぴらで使う場合は、上記の30秒程でOKです。下処理済みのものは、冷蔵保存で3日ほど保存可能です。すぐに食べない場合は水気を切ってジッパー付き保存袋に入れ、冷凍しましょう。
土筆のきんぴら
用意するもの(2人分)
- 土筆 200g
調味料A
しょうゆ 大さじ1
みりん 大さじ1
ごま油 大さじ1/2
- いりごま 大さじ1
作り方
土筆の下処理をする。
フライパンに、ごま油を入れて中火にかけ、さっと炒めます。
調味料Aを加え、しっかり炒めて水分を飛ばします。
最後にいりごまを加え完成です。
ごま油の風味と、甘辛味で、土筆の苦みがやわらぎますよ。それでも苦みが気になる方は、卵、肉等のたんぱく質と組み合わせ、うま味のある食材(かつお節など)を使うとやわらぎます。
なお、アク抜きが面倒くさい場合は天ぷらにすると良いですよ。袴を取って水洗いするだけでOKですよ。揚げることによりアクが抜けます。お勧めです。
今日の最後に
土筆は、スナギが胞子をつくる花に当たる部分(胞子茎)のことをいいます。花に当たる部分でありながら栄養価が高くビタミンB群、ビタミンE、カリウム、マグネシウム、リン、亜鉛、銅などの栄養が含まれています。その中でもカリウムは、なんと、ホウレンソウと同じくらい含まれているんですよ。
土筆は、自生している食材です。多くの栄養を持つ無料の食材を、散歩ついでに探しに行ってみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
桜の季節! お花見団子はどうして三色なの?
こんにちは
春ですね。桜の季節がやってきました。桜といえばお花見、美味しいお菓子を食べながらのお花見って春の風物詩です。
そんなお花見では、多く方がお団子を食べると思うのですが、お花見団子ってどうして三色なのでしょうか。なにか意味があってのことだと思うのですが…。
そこで今日は『お花見とお団子』についてお話をしたいと思います。
お花見とお団子
お花見といえば、「花より団子」といいますが、やっぱり食べ物がメインになります。その代表にあげられるのがお団子です。
もともとお花見は現在のような桜ではなく梅の花を見て楽しむものでした。奈良時代の天平2年(730年)1月、現在の福岡県太宰府市にある大伴旅人(おおとも の たびと)の邸宅で、梅花を題材として和歌を詠む宴会「梅花の宴」が開催され、これがお花見の起源とされています。当時の「梅」は唐から渡ってきた珍しい植物だったそうですよ。
平安時代に入り、嵯峨天皇(さがてんのう)が、桜の花を大変気に入り、812年(弘仁3年)、嵯峨天皇は神泉苑で「花宴の節(せち)」を開催し、「桜のお花見」は貴族の間で一気に広まりました。
鎌倉~室町時代になると、貴族の風習としてのお花見が、武士や一部地域でも行われるようになりました。一般階級の間でも開かれるようになったのは、鎌倉時代以降といわれています。この時代に、桜の下で酒を飲みながら連歌を楽しむようになったそうです。
お花見とお団子
お花見のときに、お団子などの甘味を食べるようになったのは、1598(慶長3)年に行われた「醍醐の花見(だいごのはなみ)」からといわれています。このお花見で、全国から名産品や甘物が集められ、振る舞われた事がきっかけで食べるようになったといわれています。
しかし、この頃のお団子は白一色で、甘くない団子に醤油などをつけて食べるものでした。そこで秀吉が、見た目も美しくほのかに甘い「三色団子」を考案させたといいます。女性にもお花見の宴を楽しんでもらいたいという気持ちからだったそうです。これを機に、お花見には三色団子という風習が全国的に広まり、江戸時代になると庶民の間でも流行するようになりました。
お花見団子の華やかな色彩
お花見団子は、「ピンク」「白」「緑」の3色が定番です。この「色」にもきちんと意味が込められています。
三色は、「桜」「残雪」「新緑」を表します。
それぞれに、春・冬・夏の季節を表していますね。ここで「秋」を表す色がないのは「秋がない」=「飽きがこない」にかけているのです。秀吉の演出というわけですね。さらには、「商い」に掛けて、「商売が繁盛する」というお団子屋さんの洒落があるともいわれています。
ちなみに、京都では秋をあずき色(茶)で表していて四色にすることもあるそうです。京都の商売人はお金(商い)よりも風流を大切にしているんですね。
また、三色団子の3つ全てで「春」のみを表しているという説も存在します。
ピンク (桜の花・桃の花などの春の花)
白 (残雪・春霞・白酒など)
緑 (若草・ヨモギの葉)
この3色で「春」の季節を表しています。
縁起の良い食べ物という意味を表している説もあります。
ピンク (紅白の紅は運気を上げる色)
白 (紅白の白は清浄を表す色)
緑 (邪気を払い、運気に恵まれる色)
この三色の縁起が良い色が揃ったお花見団子は、とても縁起が良くおめでたい食べ物として喜ばれていました。欠かせないものだったことが分かりますね。
三色団子の順番
お花見に食べるお団子の三色には、並ぶ順番もあり、桜の移り変わりを表現しています。
上から順
①ピンク (桜の花の蕾)
②白 (咲き始めの白い桜の花)
③緑 (桜の花が散って葉桜になる)
また、ひな祭りの菱餅と同じにしたという説もあります。菱餅の色と順番も、春の情景を表していますね。お花見への情熱がうかがえます。
手作り三色団子
用意するもの(6本分)
上新粉 100g
上白糖 130g
熱湯 150cc
抹茶パウダー 少々
食紅(赤) 微量
砂糖水(作業用) 適量
作り方
上新粉、上白糖が入ったボウルに、熱湯を少しずつ注ぎながら、木ベラで練ります。
完全に混ぜ合わせたら、硬く絞ったさらしをせいろに広げ、その上に溶いた上新粉を流し込みます。
さらしで生地を包み、更に蓋をして約20分間蒸します。
弾力があるくらいまで蒸し上がったら取り出します。
さらしを使って、たたみこむように少しこねます。
こね上がった生地を3等分して食紅、抹茶で色を付け、こね合わせます。
それぞれを一口大に丸めます。(手につかない様に砂糖水をほんの少し掌に付けて作業)
串に下から、緑→白→ピンクの順に串にさして完成です。
レンジを使うやり方
耐熱ボールに上新粉、上砂糖、水を入れよく混ぜます。
ラップをかけて600Wで3分加熱し、取り出してヘラで混ぜます。
再度1分加熱し混ぜ、2回繰り返しもっちり透明になったら3等分にします。
生地を3等分して食紅、抹茶で色を付け、こね合わせます。
それぞれを一口大に丸めます。(手につかない様に砂糖水をほんの少し掌に付けて作業)
串に下から、緑→白→ピンクの順に串にさして完成です。
食紅が嫌いな方は、イチゴジャムや桜パウダーを使ってくださいね。また、熱いうちに丸めるときれいに出来ますよ。
今日の最後に
お花見に食べるお花見団子の色には諸説ありますが、桜を愛でながらお茶を楽しむといったことが背景にあります。当時、豊臣秀吉が自ら考案した三色団子は、以来お花見のお茶菓子として使われてきました。
桜の季節です。市販の三色団子でも良いのですが、自宅でもレンジを使えば簡単に作ることができます。手作り三色団子を作って、ご家族でお花見に出掛けてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
旬のタケノコ! 米糠が無いけど、アク抜きって出来るの?
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こんにちは
暖かくなりましたね、すっかり春ですね。春といえば「タケノコ」の季節。煮物や炊き込みご飯で年に一度は食べたい食材です。
でもタケノコで困るのが下処理です。それにアク抜きには米糠が定番ですが、米糠ってすぐにご家庭で用意できるものなのでしょうか。
そこで今日は『タケノコ』についてお話をしたいと思います。
旬のタケノコ
タケノコは、竹の地下茎から伸びる若い芽がタケノコです。意外にも食用としているのは、日本や中国、韓国など東アジアだけなんだそうです。日本で最も流通しているのは、中国江南地方が原産地の「孟宗竹」という品種で、日本へは江戸時代中期の1740年頃に琉球に入り、全国に伝えられたといわれています。孟宗竹以外にも古来のタケノコが自生していたようで、タケノコは日本の食文化には関わりが深かったといえます。
日本人の食に関わりが深いタケノコですが、食べる上で邪魔ともいえるのがアクです。「アク」は、人間が食する際の不要な要素で、食べると不快に感じます。「渋味」、「苦味」などがその要素です。山菜類には多く含まれていますが、タケノコにもアクの成分となる「シュウ(蓚)酸」と「ホモゲンチジン酸」が含まれています。このアクのせいで面倒なアク抜きの作業が必要になるのです。
タケノコのアク抜き
代表的なアク抜きには米糠を使う方法がありますね。
アク抜きの原理は、米糠の酵素によってタケノコの繊維が柔らかくって、水溶性のアクが抜けやすくなります。
さらに、シュウ酸が米糠のカルシウムと結合して「シュウ酸カルシウム」となり、エグミを感じさせないものにしてくれます。
その後、「加熱」によってタケノコの酵素を失活させ、チロシン由来のホモゲンチジン酸が増加するのを止めます。
この流れでタケノコのアク抜きが可能になります。
では、ご家庭に米糠が無い場合はどうしたら良いのでしょうか。
結論から言うと、米糠を同じようなものに置き換えれば良いだけなんです。その代表例が、同じ成分であるお米のとぎ汁を使ったアク抜き方法です。
とぎ汁でアク抜き
用意するもの
タケノコ 500g前後
お米のとぎ汁 2L
鷹の爪 適量
やり方
お米を普通に研ぎます。
とぎ汁を捨てずに、2L溜めます。
溜めておいたとぎ汁と下処理をしたタケノコを、鍋に入れます。
鷹の爪も一緒に入れて、米臭さを取り、抗菌作用で日持ちさせます。
沸騰したら弱火にし、タケノコを45~60分ほど茹でます。
タケノコに火が通ったら、そのまま半日ほど常温におき冷まします。
完全に冷めたら、水洗いして縦に入れた切れ目から指先を入れて皮を剥きます。
穂先から真ん中の部分は縦に切り、根元は横に切ります。
フタつきの深めの保存容器に水を入れ、タケノコが完全にひたるようにした状態で密閉して冷蔵庫で保存してください。
保存期間 は、1週間程度は保存可能です。(時々水を替えながら行ってください)
無洗米でアク抜き
用意するもの
タケノコ 500g前後
水2Lに無洗米 30g(1/4カップ)
やり方
無洗米を計量カップに約1/4とります。(30gほど)
鍋に水とタケノコ、生米(お好みで唐辛子も)を入れ、火にかけます。
沸騰したら弱火にして45~60分ほど茹で、火が通ったらそのまま冷まします。
完全に冷めたら、水洗いして縦に入れた切れ目から指先を入れて皮を剥きます。
穂先から真ん中の部分は縦に切り、根元は横に切ります。
フタつきの深めの保存容器に水を入れ、タケノコが完全にひたるようにした状態で密閉して冷蔵庫で保存してください。
牛乳でアク抜き
用意するもの
タケノコ 500g前後
水2Lに牛乳 カップ1/4(約40g)
やり方
牛乳を約カップ1/4ほど用意します。
鍋に2Lの水を入れ、牛乳を注ぎます。
次にタケノコを入れて鍋を火にかけます。
沸騰したら弱火にして45~60分茹で、その後そのまま冷まします。
完全に冷めたら、よく水洗いして縦に入れた切れ目から指先を入れて皮を剥きます。
穂先から真ん中の部分は縦に切り、根元は横に切ります。
フタつきの深めの保存容器に水を入れ、タケノコが完全にひたるようにした状態で密閉して冷蔵庫で保存してください。
大根おろしの汁でアク抜き
用意するもの
タケノコ 400g前後
大根おろしの汁 200ml
おろしと同量の水 200ml
塩 小さじ1(液体の約1%分)
やり方
大根を洗い、皮付きのままおろします。
大根おろしをザルなどで濾して、汁のみを取り出します。
大根おろしの汁と同量の水を合わせます。
そこへ大根おろしの汁と水を合わせた総量の約1%の塩を足します。
生のタケノコの皮を剥きます。
皮を剥いたら、食べやすい大きさにカットします。
カットしたタケノコを汁に30分以上浸します。
汁気を切って水洗いし、3~4分茹でます。
フタつきの深めの保存容器に水を入れ、タケノコが完全にひたるようにした状態で密閉して冷蔵庫で保存してください。
水煮だけでアク抜き
いくつかのアク抜き方法を紹介しました。でもタケノコのアクはしっかりと取る必要はありません。水煮だけでも食べることができます。
明治以前くらいまでは完全に取り除かずに、水のみで茹でていたそうです。米糠などは添加しなかったそうです。
やり方は簡単!タケノコをただ1時間ほど水煮するだけ。カットしたものならもっと早くできます。これを「湯煮」というそうです。アクが嫌いな方にはお勧めできませんが、多少の渋みなら大丈夫な方は試してみてくださいね。
今日の最後に
旬のタケノコを食べる場合、米糠を使ってアク抜きをしてから食べるのが一般的ですが、用意できない場合は代用品でもアク抜きはできます。身近なところではお米や牛乳でもできるのでお試しください。
タケノコの旬は、春です。食物繊維だけが重視されがちですが、意外にもビタミンB1、B2、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類が豊富なんですよ。また、肌に良いと言われる食物繊維も含んでいるので、美肌効果もあります。美容と健康のためにも、旬のタケノコを召し上がってみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
旬のハマグリ! 口が開かないハマグリは危険?
こんにちは
春は、アサリやハマグリなど貝類が美味しい季節ですね。汁物に入れたりすると良い出汁が出て美味しいですよね。
ところで、ハマグリなどの貝は加熱すると口を開きますよね。これは新鮮だといわれる証なのですが、その理由って何なのでしょうか。あまり考えたことがありませんでしたが、少し探ってみたいと思います。
そこで今日は『ハマグリの鮮度』についてお話をしたいと思います。
旬のハマグリ
ハマグリは、 北海道以南~九州の浅海の砂泥底に生息する二枚貝です。日本では縄文時代の貝塚から多く出土していることから、この時代にはら蛤を食材としていたことが分かります。日本には、古来の品種である、本ハマグリの他、チョウセンハマグリや、シナハマグリなどが生息しています。これらのハマグリは、食べるだけどではなく、平安時代には「貝覆(かいおおい)」や「貝合(かいあわせ)」の材料として、遊ぶための道具としても利用されていたそうです。
また、雛祭りや結婚式などの祝い事に使われることも多いのですが、これにはハマグリの貝が対になったもの以外にはピッタリ合わないことから、「夫婦仲良く、一生同じ人と添い遂げられますように」という願いが込められています。
ハマグリを食べよう!
ハマグリを選ぶときに素人には分かりませんよね。そこで外見からでも比較的に分かりやすい方法をご紹介します。
一つ目に分かりやすいのが臭いです。臭いがしたら、すでに傷んでいる可能性大です。パックに詰められている貝や、量り売りの選び方も同じなので臭いのチェックは万全を期してください。
次に注目すべき点は、「殻にあるツヤ」です。模様は個体差が大きいので、ツヤに注目して選びましょう。ツヤツヤとしていて、ふっくらと丸みを帯びた殻のものほど、良質な身が含まれています。
最後に実際に手に取ることができる場合は、殻をぶつけ合わせてみましょう。ハマグリ同士をぶつけ合わせて、カチカチと澄んだ良い音がするものが鮮度の良いものです。1つの目安として覚えておくと良いですよ。
ハマグリといえば潮(うしお)汁
ハマグリの美味しいお料理といえば、あっさり潮汁は外せません。お祝いの膳などにもよく食されています。ハマグリを潮汁に使うのには訳があり、潮汁はクセの少ない魚介類で出汁をとって、その魚介類を実にします。味付けはシンプルに塩だけ、もしくは生臭さを消すために酒を少し入れます。素材の旨味をそのまま味わいたいから、ハマグリといえば潮汁なんですよ。だからこそ、調理前にしっかりと下処理をしてから調理します。ちなみに、タイやアサリ、シジミなども同じ考え方ですね。それではハマグリの潮汁の作り方を紹介します。
用意するもの (4人分)
作り方
ハマグリを薄いたて塩(水500ml対し、塩約15g)に入れ、3~4時間砂を吐かせます。
砂を吐かせた後、貝同士を擦り合わせてきれいに水洗います。
鍋に分量の水を張り、出汁昆布とハマグリを入れて中火にかけます。
沸騰させないように浮いたアクをすくいながら静かに煮立たせます。
ハマグリの殻が踊り始めたら昆布を取り出し、火を止めます。
ボウルに盆ざるをのせ、布巾を敷き、汁とハマグリを漉します。
漉した汁が4カップできたので、これを鍋に戻して火にかけます。
塩小さじ1杯強を加えて味を調え、煮立ちばなに日本酒大さじ1杯を入れます。
ハマグリお椀に入れ、お椀に結び三つ葉を添えます。
お椀に潮汁を張って完成です。
ハマグリは水から入れてじっくり熱を加えながら材料の旨味を引き出すと良いですよ。煮立たせるとタンパク質が表面に皮膜を作ってしまい旨味を抽出できませんので注意しましょう。
ちょっと雑談
新鮮な貝は口が開く?
新鮮な貝や採れたばかりの貝を火にかけると口が開きます。貝は、タンパク質があることで口を閉じていて、閉じることで、外敵から身を守っています。しかし、タンパク質は熱に弱く、加熱によりタンパク質の粘着力が弱まり開いてしまいます。
加熱により口が開いたということは、直前まで生きていたという証になります。だから新鮮といえる訳なんですよ。
ただし、貝柱の部分が壊れているハマグリは開かない可能性があります。こういったものは死んでいる可能性もあるため処分の対象にしてください。食中毒になってしまう危険性が高いので、絶対に食べないようにしましょう。
今日の最後に
ハマグリが加熱により開くと鮮度が良いといわれる理由は、加熱をすると貝柱のタンパク質が変化して縮み、接着力が弱くなるため殻から外れて口が開きます。ということは、直前まで生きていたことになりますね。
ちなみに、冷凍したハマグリは死んでいますが、タンパク質の腐敗を防ぎ、貝柱を動かすためのエネルギーはまだ残っているそうです。なので生きている貝と同様に加熱すると口が開くということです。
ハマグリの旬は、春先の2月~4月です。
ハマグリは、ビタミンB12がとても豊富!ビタミンB12は魚介に多く含まれる栄養ですが、その中でもハマグリは「100g中、28.4μg」と、生の魚介類ではトップ10入りをするほどの豊富さです。貧血の予防に関わる栄養の一つとして知られています。その他にもミネラル類たっぷりと含まれています。旬の美味しい時期に、一度は召し上がってみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
サブレの日! 「サブレ」と「クッキー」の違いってなに?
こんにちは
サブレって食べますか。そう、お土産でお馴染みの鳩サブレと同じ「サブレ」です。バター風味の良い香りで、食べていると止まらなくなりますよね。
ところで、サブレってクッキーと似てませんか。私には、どう見ても同じに見えるのですが。決定的に違う点はあるのでしょうか。
そこで今日は違う点を交えながら『サブレ』についてお話をしたいと思います。
サクサク食感!サブレ
「サブレ」または「サブレー」は、フランス発祥のビスケットの一種で、サクサクとした食感とバターの香りが特徴の洋菓子です。フランスでは、焼菓子全体のことを「サブレ」と呼びます。
よく似たものにビスケットがありますが、ビスケットはバターまたはショートニングと薄力粉の配合比率をおよそ1:2の割合で作るのに対して、サブレはほぼ1:1で作るので、ビスケットよりさらにサクサクした食感で、さらに濃厚に仕上がります。
サブレは、フランスから日本に伝わったお菓子で、フランス語では「sable」と呼びます。サブレという名前は、フランスのノルマンディー地方の都市、サブレ=シュル=サルト(Sablé-sur-Sarthe)で最初に作られていたことから、「サブレ」という名前になったそうです。また、サブレにはフランス語で「砂をまいた」「砂で覆われた」という意味があり、サクサクした口当たりから「砂」という意味も持っています。
サブレは、「ビスケット?」「クッキー?」
ここまでサブレについて話をしましたが、サブレはどの仲間に入るのでしょうか。
焼菓子を、フランスでは「サブレ」、イギリスでは「ビスケット」、アメリカでは「クッキー」とひとまとめにしています。どの焼き菓子も「ビスケット類」となるので、「サブレ」も「クッキー」も、「ビスケット」の仲間だったんです。このことを区別しているのは日本だけなんですよ。
「サブレ」⇨ バター多めの風味で、サクサク食感のビスケット類(サブレの分類はない)
「ビスケット」⇨ 小麦粉に糖類と食塩、食用油脂を加えて焼いたお菓子の総称
「クッキー」⇨ 食用油脂と糖質の割合が40%以上のビスケットの総称
決定的な違いは、サブレにはバター又はショートニングや卵の配合が多く使われ、サクサクとした食感のものを出すために、クッキーに比べてバターの量が2倍になる点です。でもこの3つで一番カロリーが高いのはクッキーなので、ダイエット中の方は注意が必要ですよ。
サブレを作ってみよう!
用意するもの (20枚分)
薄力粉 70g
アーモンドパウダー 30g
砂糖 30g
バター 50g
塩 ひとつまみ
作り方
フードプロセッサーに薄力粉・アーモンドパウダー・砂糖・塩を入れスイッチON。途中で止めて、2~3回ほど全体を混ぜます。
角切りにしたバターを加えて、スイッチのONとOFFを繰り返して混ぜ合わせます。
全体に少し固まりができてくるころまで混ぜ合わせます。
ひとまとめにした後、15㎝程の棒状に伸ばしてラップに包み、ラップをしたまま2時間以上冷蔵庫で寝かせます。
8~10mm程度の厚さに切り分け、軽く形を整えてオーブンシートを敷いた天板に並べて行きます。
170℃に予熱したオーブンで、15分間焼きます。
盛り付けて完成です。
厚めに分けた場合は、焼き時間を長くとってください。例、1.5㎝の厚さの場合は、170℃に予熱したオーブンで20分焼きます。また、フードプロセッサーがない場合は、材料すべてをポリ袋に入れて揉み込むと良いですよ。洗い物も減りますしね。
抹茶やココアなどを混ぜてもで美味しいですよ。
今日の最後に
サブレは、フランス発祥のビスケットの一種です。バター風味を多く取り入れて、サクサクとした食感に仕上げているのが特徴です。ここがクッキーやビスケットとの大きな違いになりますね。
「鳩サブレー」について
試作品ができあがった際に試食したところ、外国人から「フランスで食べたサブレーという菓子に似ている」といわれたそうです。
そこで日本語の「三郎」という名前に響きが似ていると思い立ち「サブレー」という言葉がお気に入りになったのだそう。そして、鳩サブレーのあの形は、鎌倉にある鶴岡八幡宮に由来するそうです。鶴岡八幡宮の神使は鳩、鶴岡八幡宮への信仰が厚かった初代は、「サブレー」と「鳩」を組み合わせて、鳩サブレーを作り上げ「鳩サブレー」とつけられたそうです。今でも当時の原形のままとのことです。また、「鳩三郎」と呼ぶこともあったそうですよ。
3月20日は「サブレの日」です。3月20日の3を「さ」、2を「ぶ」、0を「れ」と語呂合わせで読めることから、日清シスコ株式会社さんがが制定しました。サブレは手軽に食べることができるので、おやつにを召し上がってみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。