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夏の麺! 冷麦(ひやむぎ)の起源は「截麦」

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夏の涼





こんにちは
夏の麺といえば素麺だと思いますが、似たものに「ひやむぎ」という麺がありますよね。素麺とほとんど同じなのに、どうして「ひやむぎ」と呼ぶのか不思議に思いませんか。
そこで今日は『冷麦(ひやむぎ)』についてお話をしたいと思います。

冷麦




冷麦(ひやむぎ)

 「ひやむぎ(以降、冷麦)」は、素麺と同じく小麦粉と塩、水を原料とした麺の一種です。 素麺との違いは、簡単にいうと太さの違いで冷麦の方が太くなります。これは、冷麦がうどんの製法の一つだからです。


 冷麦の起源は、 素麺より遅い室町時代のことで、この頃に登場した「截麦(きりむぎ)」というものが起源といわれています。


 截麦は、うどんや蕎麦と同様に、生地を包丁で切って麺にしたものをいいます。(素麺は油を伸ばして細い麺にする製法なので、ここで麺にする過程が違ってきます。)


 室町時代中期の文明12年(1480年)に、一条兼良が書いたといわれている往来物に「尺素往来(せきそおうらい)」があります。その中に、『索麺は熱蒸、截麦(きりむぎ)は冷濯(ひやしあらい)』とあり、素麺は蒸して熱いうちに食べ、截麦は冷たくして食べるものと記されています。この「截」とは、「切ってつくる」製法を意味して、「冷」は「冷濯」などの、「冷たくして食べる」食べ方を意味します。


 この時代から包丁などの刃物で切って作る麺を「截麦(きりむぎ)」と言って、この截麦を熱したものを「熱麦(あつむぎ)」と呼び、冷やしたものを「冷麦(ひやむぎ)」と呼んでいました。熱麦と呼ばれなくなったのは、温かくして食べるのは「うどん」と同じなので次第に廃れました。


 現在では、機械による製造が多いた太さで区別しているそうです。



機械製麺

  • 素麺 直径1.3mm未満

  • 冷麦 直径1.3mm以上∼1.7mm未満

  • うどん 長径1.7mm以上


延べ麺

  • 素麺 長径1.7mm未満

  • 冷麦 長径1.7mm未満

  • うどん  長径1.7mm以上



素麺や冷麦を茹でるときの吹きこぼれ


吹きこぼれ防止


 吹きこぼれは、麺から流れ出るデンプン質を含んだお湯が、沸騰したときに起こる対流によって起きます。これを食い止める方法がいくつかあるので紹介します。



菜箸を十字にして鍋の上に置く

泡が菜箸に触れて泡が消えます。


急須のフタを鍋の底に入れる

急須のフタには小さな穴があいているので、発生した泡がフタの中に集まり、急須の小さな空気穴から割れやすい大きな泡となって出るので吹きこぼれを防ぎます。


フライパンで茹でる

底の深い鍋だと、泡同士の膜が増えてしまい吹きこぼれてしまいますが、底の浅いフライパンなら、膜になる前に空気で冷やされるので吹きこぼれません。


予熱で茹でる

沸騰したら鍋の火を止めて蓋をする。余熱だけで素麺を茹でていきます。


 吹きこぼれでお悩みの方は試してみてください。ちなみに、「差し水」はNGです。理由は、温度が下がってしまい、素麺が美味しく茹であがらないからです。



今日の最後に

 冷麦の起源は、室町時代に登場した「截麦(きりむぎ)」にあります。 うどんを細くして切ったものを「截麦(きりむぎ)」と呼び、その截麦を茹でて冷たい状態にしたものを「冷麦(ひやむぎ)」と呼ぶようになりました。これが冷麦の起源になります。ちなみに、温めて食べるのを「熱麦」と呼びます。


夏本番です。冷たい冷麦を食べて頑張りましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。



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