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キノコの王様「松茸」 松茸はどうして高価なの?

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秋の山




こんにちは
秋といえばキノコ、その代表ともいえるのが松茸ですね。なんと言って香り良い!でも気になるのがお値段です。高価ですよね。
ところで、松茸ってどうして高価なのでしょうか。味から言ったら他のキノコの方が断然美味しいのに。
そこで今日は『松茸』についてお話をしたいと思います。



松茸


松茸



 松茸は、日本や中国、朝鮮半島などに分布していて、古くから食されていたキノコです。主にアカマツクロマツ、コメツガなどの林に生えています。日本の主な産地は、岩手県、長野県、京都府広島県岡山県が有名ですね。古くから日本人の食に入り込んでいる松茸は、日本書紀万葉集にも登場し、この時代にはすでに食されていたといわれています。また、秋の味覚として食べる他に、胃腸病や安産の妙薬としても使われていたそうです。弥生時代の遺跡からも松茸に似せた土人形が発見されているので日本人との関係は長いことがわかります。


 そんな松茸は、江戸時代になると料理書が出回るようにまでなりました。 1643年(寛永20年)に発刊された「料理物語」には、庶民の日常食として松茸が登場しています。他にも「料理珍味集」や「料理綱目調味抄」、「料理山海郷」などにも登場していてかなりの庶民に食べ物だったことが伺えます。


 ちょっと待って!こうやって歴史を見ると、「松茸って庶民の食べ物だったの?」という疑問が出てきますよね。



松茸は安かった?


松茸


 古代から食されていたことからも分かるように、松茸は庶民的な食べ物だったそうです。証拠といえるか分かりませんが、明治時代や大正時代には、松茸は椎茸より安かったという記録が残っています。


 安かった理由は、昔は松を建築資材や燃料にしていたため、松林を適度に伐採していました。松茸が生える環境はアカマツの付近で、アカマツは松などを伐採したあとの不毛な地に生えます。なので、アカマツが生えれば松茸が採れることになります。


 昔はアカマツの林が沢山あったので松茸が採れていたそうです。だから庶民食だったんですね。


 江戸時代から昭和の中頃までは、全国の広い範囲をアカマツ林が覆っていたみたいです。その証拠に、松茸の生産量は1941年(昭和16年)をピークに、1950年(昭和25年)頃には半分になったそうです。 1950年くらいからは、建築資材や燃料としての薪は必要では無くなったからなんですね。


 松茸が採れなければ高値がつくのは当たり前ということになりますね。


 じゃあ、「人工栽培すればいいんじゃないの!」と思いますよね。



松茸の栽培

 キノコには、腐生菌と菌根菌の2種類があるそうです。私たちがスーパーなどで買う椎茸やブナシメジなどは人工栽培できるキノコで腐生菌といいます。一方、松茸やトリュフなどの人工栽培が難しいキノコは菌根菌といいます。腐生菌は、枯れた葉や木などを分解して育つので人工栽培が可能です。しかし、菌根菌は生きた木の側にしか生えなく、その木とともに共存して育つので人工栽培が難しいそうです。難しいというより人工栽培が出来ないといえます。


 このようなことからも松茸は高値になってしまいます。



松茸は美味しい

 「香り松茸、味しめじ」というとおり松茸は香りのキノコです。特有の香りは「ケイ皮酸メチル」や「マツタケオール」によるもので、松茸の香りには食欲増進や気持ちを落ち着かせるといった作用があります。香りの成分があるから、食欲を増進させて美味しいと感じるわけなんです。


 松茸を食べるとどのようなメリッがあるかというと、高血圧予防や心筋梗塞の予防、脳梗塞予防や動脈硬化予防などが期待できます。ちなみに、近年ではガン予防にも効果があることが分かってきたそうです。キノコの王様といわれるだけあって食べるメリットは十分にありそうですね。


 でもこれって他のキノコと同じような効能では…。



今日の最後に  

 松茸が高価なのは、簡単にいえば採れない上に栽培が出来ないからです。江戸時代から昭和の中頃まではかなりの生産量があり、価格は椎茸の10分の1程度だったそうです。松茸自体の味からいうと、納得できる話です。だって、私は松茸が美味しいキノコだと思ったことがないから…。高いお金を払ってまでして食べる価値があるのかな? と思ってしまいます。


 松茸が採れのは10月くらいまでです。機会がありましたら香りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。



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