シルシ

食に関係した情報をお届け致します。

柿を食べよう! 渋柿は甘くなる?

スポンサーリンク



スポンサーリンク


秋の味覚




こんにちは
柿が美味しい季節ですね。
ところで、柿を食べたら渋かった、ということはありませんか。
渋柿を食べてしまうと口の中が大変なことになりますよね。
渋柿の見分け方とかがあれば良いと思うのですが。
そこで今日は『渋柿』についてお話をしたいと思います。



柿の話


柿



 柿は、日本や中国などの東アジアが原産の植物です。世界中で古くから食されていて、アジアやヨーロッパでも「kaki」名前で通用しているほどです。ヨーロッパへは、ポルトガル人が種子島に鉄砲をもたらした1543年の秋に、柿の美味しさに惚れ込んだポルトガル人が、柿の苗と種を持ち帰り伝えられました。現在では、「kaki」はスペイン、イタリア、イスラエル、さらにブラジルなど世界各国で栽培されています。ちなみに、英語名だと「Diospyros kaki(ディオスピロス・カキ)」と表記し、「神様がくれた食べ物」となります。


 日本でも柿は古くから食されており、奈良時代のものとして出土した木簡に、柿や干し柿について記されていることから、この時代には食されていたといわれています。ちなみに、この頃の柿は渋柿でした。


甘柿は突然変異!

 もともと日本に自生する柿は渋柿で、甘柿は鎌倉時代に渋柿の突然変異種(これは日本特産の品種)だったそうです。建保2年(1214年)に神奈川県川崎市麻生区の王禅寺で偶然発見された柿(禅寺丸)が、日本初の甘柿といわれています。


 以後、柿の品種は増え、今では1000種類を超える柿の品種があります。しかし完全な甘柿は現在でも17品種しかないそうです。でも、柿は気温差が激しい地域では、生育環境により甘柿になったり渋柿になったりするようですよ。最も有名な「富有柿」と「次郎柿」ですね。


二種類の柿

 柿は甘柿と渋柿に分けられて、さらに甘柿は種が入らなくても渋みが抜ける「完全甘柿」と、種が多く入ると果実全体の渋みが抜ける「不完全甘柿」に分けられます。


 一方、渋柿は種が入っても渋いままの「完全渋柿」、種が入ると種の周辺だけ渋みが抜ける「不完全渋柿」があります。柿の渋みはタンニンと呼ばれる物質で、アルコールに漬けるや炭酸ガスを使って処理、乾燥させることで(干し柿など)タンニンが不溶性に変化し渋みを感じさせなくなります。


 ようやく柿の渋みの話が出てきましたので、ここからは渋抜きの話に移ります。



柿の渋抜き


柿の渋抜き


 先程もお伝えしたように柿の渋み成分は「タンニン」という水溶性の水に溶ける物質です。渋柿をそのまま食べてしまうと、タンニンが唾液に溶け出して「渋み」を感じてしまいます。


 ということは、このタンニンを水に溶けないように(不溶化する)すれば渋みを感じ無くなりますよね。


 昔からのやり方では、渋柿を干して渋を抜く方法があります。


 でも、これだと少し手間も時間もかかってしまうので、他のやり方を紹介します。なお、炭酸ガスを使った方法は、ドライアイスを入手する手間や使用上の注意点が多くなるので省きます。 



渋抜き方法

 渋抜き剤(ネオヘースタン)を使うとあまり手間をかけずに渋抜きができます。


やり方

  1. 密封できる容器(ダンボールの中にビニール袋を広げるなど)を用意し柿を入れます。

  2. 柿の上に紙などを敷き、「ネオヘースタン」を袋から取り出してその上に置きます。

  3. ガムテープ等でダンボールの周りを塞ぎ密閉します。(ビニール袋だけなら口をしっかり絞って密封)

  4. 一週間程、常温(室温20℃前後)で保管して完了です。


 食べてみて渋みが残っている場合は、さらに1~2日続けてください。美味しくいただけるようになりますよ。



アルコールで渋抜き
用意するもの


やり方

  1. ボウルにアルコールをコップ一杯くらい入れます。

  2. 柿のヘタに少量のアルコールをチョンと浸けます。

  3. 柿をビニール袋にいれ、日の当たらない室温20℃前後の室内で 7~14日程、保管して完成です。


 7日程度したら味見をしてください。途中でも渋みが無くなっていればOKです。気温が低くい渋が抜けるのに時間がかかります。冷蔵庫での保管は避けましょう。


 食感が変わってしまいます(柔らかくなる)が、もっと楽な方法があります。


冷凍で渋抜き

  1. 渋柿の皮を剥いて、一口大に切ります。

  2. ラップに包み、2~3日程冷凍します。

  3. 完成です。


 冷凍庫から出して5分程するとシャーベットのような食感が楽しめます。完全解凍すると食感が無くなります。



今日の最後に

 柿の渋みの原因はタンニンという成分で、水溶性のため口の中でタンニンが溶け出し渋みを感じてしまいます。渋を抜く方法はアルコールを使う方法が一般的です。甘柿になるのでお試しください。


 柿に含まれるビタミンCの量は、日本人がよく食べる果物の中でもトップクラスです。風邪予防や美肌効果に期待できますので、召し上がってみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。



www.raruka.net




スポンサーリンク