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ふりかけの「ゆかり」、名前の由来とは!

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赤紫蘇







 こんにちは
 誰もが一度は食べてことがあるふりかけの「ゆかり」、味も香りもいいですよね。ゆかりご飯は美味しい! ところで「ゆかり」とはどのような意味があるのでしょうか。そこで今日は『ゆかりの由来』についてのお話をしたいと思います。


ゆかりの由来




ゆかりの由来

 ゆかりご飯に使われているのは赤紫蘇です。

 この赤紫蘇のふりかけが、どうして「ゆかり」になったかというと、その名前の由来は、古今和歌集収録の短歌からきています。


  「ゆかり」とは、「縁」ということを指しており、古今和歌集収録の短歌「紫の ひともとゆゑに 武蔵野の 草はみながら あはれとぞ見る」(よみ人しらず)に由来するそうです。 この歌は「紫草が1輪咲いているという縁(ゆかり)だけで武蔵野のすべての草花を愛おしく感じる」という意味の歌なります。


 でも歌の言葉は緑なのにふりかけの「ゆかり」は紫色です。少しの変ですよね。


 その答えは。
 日本においては、「紫色」は「縁」を表す色なんです。平安時代、紫色は「縁(ゆかり)の色」と呼ばれ、その由来は先程の『古今和歌集』の歌にあるといいます。


 これで「ゆかり」と名付けられた意味が繋がります。つまり「縁(ゆかり)色」であるからこの名前になったというわけです。これに加え、購入していただいた方との、「ご縁」も大切にしたいとの思いから、「ゆかり」と命名したそうです。



紫草とは

 紫草と書いて「ムラサキ」と呼ばれる花です。
 紫草は東アジア原産、ムラサキ科多年草で、草丈は60~120㎝前後で5月中旬~8月には白く可憐な花を咲かせます。
根はシコンと呼ばれ、鮮やかな紫色で、世界各地で染料や生薬として使われてきました。紫草による染色は、中国より伝わってきたもので、万葉集古今和歌集などの和歌にもよく詠われています。
主に奈良時代から江戸時代に栽培されていて、根の部分である紫根(しこん)が、染め物の原料(紫色)や薬(漢方)に使われていました。


 ということで、ふりかけの「ゆかり」は、縁の色(ゆかりのいろ)から付けられています。



「ゆかり」は商標登録されている

 商品名の「ゆかり」は商標登録されています。1960(昭和35)年12月10日特許庁において商標として登録されました。これを行ったのが中埜酢店(現・ミツカングループ)によって商標登録されたのです。三島食品の「ゆかり」が発売される以前に既にこの名前は商標登録されていました。ではどうして三島食品でこの名前が使えたかというと、三島食品は中埜酢店と酢の取引があり、同社の厚意によって「ゆかり」の商標を使うことが許されたそうです。その後、1999年に株式会社ミツカングループ本社(前、株式会社中埜酢店)より商標を譲り受けて、同年9月に名実共に三島食品の商標として登録されました。


余談

 ゆかりシリーズは三姉妹、全て最後に「り」が付くのが特徴です。ですがこの三姉妹の後2020年2月に発売された「うめこ」には「り」が付いていません。どうしてなのでしょうか。気になりますよね。


 答え。
 命名の由来について、三島食品の社長・末貞操さんはこう説明されています。


「社員と昼食をとっていた際、カリカリ梅をもう一度復活させたい旨の話がありました。演歌歌手のイメージでいきたいとのことで、名前の意見を聞かれたので『うめこ』と答えました」


 昭和の演歌歌手のイメージが「こ」だったからということでした。これはこれでいいネーミングだったのかもしれませんね。



今日の最後に

 「ゆかり」は古今和歌集収録の短歌にある「縁」に由来しています。商品の色である「紫色」は「ゆかりいろ」だったので付けられました。ちなみに、ゆかりという商品ができた後に、こちらの会長さんとご結婚された方の名前も、「ゆかり」さんだったそうです。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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