シルシ

食に関係した情報をお届け致します。

ヒジキが美味しい! 生のヒジキはどうやって食べるの?


スポンサーリンク


春の海




こんにちは
春は食材が豊富な季節、良い季節ですね。山菜などに目を奪われてしまいますが、海藻も美味しい季節になります。春の海藻のなかでお勧めしたいのが「ヒジキ」です。国産のヒジキは春が旬になるので、今が食べ頃なんですよ。でも、生のヒジキってどうやって食べるの?
そこで今日は『旬のヒジキ』についてお話をしたいと思います。


旬のヒジキ


ヒジキ



 ヒジキは、北海道の南部から九州にかけて広い範囲に生息する海藻です。日本人との関係は古く、約一万年前の縄文時代の遺跡からも発見されていることから、日本では古くから食されてきたと考えられます。三代将軍徳川家光の時代に書かれた料理書である「寛永料理物語」の中に、ヒジキの調理方法が「にもの」、「あヘもの」と記されていることから、すでに現在と同じような調理方法で食されていたそうです。ちなみに、ヒジキを漢字で書くと「鹿尾菜」と書きます。江戸時代に書かれた「本朝食鑑」には、「ヒジキをくるくると丸めると鹿のしっぽみたいになる」という記述があり、このようなことから、この漢字が当てられたそうです。



同じヒジキでも2種類

 ヒジキには2つの種類(部位)があり、小枝のみを集めたものを「芽ヒジキ」、茎上の長い部分が入ったものを「長ヒジキ」といいます。


長ヒジキ

 長ヒジキは、茎ヒジキとも呼ばれ、ヒジキの茎の部分のことを指します。太さがあり、歯ごたえが良いのが特徴です。煮物、炒め物、サラダや和え物に使われています。


芽ヒジキ

 芽ヒジキは、別名「姫ヒジキ」「米ヒジキ」とも呼ばれ、ヒジキの葉の部分を指します。長ヒジキに比べ細いので、食べ応えには欠けますが、水で早く戻すことができます。一般的なご家庭で最もよく使われているタイプです。炒め物や煮物、ヒジキご飯などに適しています。



 2つに分かれるヒジキですが、生のヒジキってあまり見かけませんよね。採れたての生ヒジキです。スーパーなどでは加工され袋詰めされたヒジキがほとんどだと思います。これって不思議だと思いませんか。


 その答えは。


 生のヒジキは渋味などのアクが強いため、生のまま食べることはほとんどないそうです。そのため、長時間加熱処理したものだけが店頭に並びます。生と表示されているものも加熱処理され乾燥させたものを、もう一度水で戻すそうです。ちなみに、採取されたばかりのヒジキは褐色ですが、それらの加工の行程を経ると黒色になるので違いがわかります。


加工方法


春に収穫⇨産地で天日干し⇨水洗い後に塩抜き⇨蒸す又は煮る⇨乾燥後に機械で異物を除去


 ということで、スーパーなどで見かけ生ヒジキは一度下処理が行われているものです。本当の生のヒジキは産地に行かないと購入は難しいということですね。でもスーパーで購入した方が安全と言えるでしょう。天然のヒジキには、ヒ素が含まれていますからね。



もしも、採れたての生ヒジキが手に入ったら?

 生ヒジキは、そのままでは硬くて食べることができません。下処理が必要になります。



  1. よく水洗いする。

  2. 熱湯で5分茹でる。

  3. 下処理の完了です。



 5分間、茹でることで殺菌効果だけでなく、生臭さも消えるので食べやすくなります。心配な方は、10分湯がくことで完璧に取り除くことができますよ。冷蔵保存で、2~3日で食べ切ってくださいね。





ちょっと雑談

乾燥ヒジキ


 ところで、乾燥ヒジキを戻す場合の時間や分量の目安って迷いませんか。時短にもなるやり方があるので紹介します。



時短!ヒジキの茹で戻し

用意するもの(戻しやすい目安)

  • 乾燥ヒジキ 25g(戻すと約7~10倍に膨らむ)

  • 水 700cc


やり方

  1. 鍋に水を入れ、乾燥ヒジキをも入れて、強火にかけます。

  2. お湯が沸いてきたら弱火にしてアクを取り除きます。

  3. 1~2分煮て固さを確かめます。(ヒジキが柔かくなるまで)

  4. 全体を流水で20秒間洗えば完成です。



 茹でることで時短にもなり、さらにヒ素も約9割も減らすことができます。戻した後は、煮物や、サラダなどにご活用ください。



今日の最後に

 ヒジキは、縄文時代弥生時代から食されてきた古い歴史を持つ食材です。日本で消費されるヒジキのうち、約1割が国内産、約9割が外国産で国産のものは希少種といえます。そんな国産のヒジキは、3月~5月頃が旬です。


 この時期のヒジキは柔らかく美味しいです。そしてヒジキを食べるメリットはカルシウムです。 なんと牛乳の12倍もあります!他にも便秘解消に効果的な食物繊維、貧血や冷え性を軽減する鉄分など、ヒジキには身体にうれしい成分がたっぷりと含まれています。


 ヒジキといえば「煮物」というイメージが強いのですが、油と相性も良く、肉や魚との炒めものや、揚げ物しても美味しいです。旬の時期ですのでヒジキを召し上がってみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。





www.raruka.net



栄養豊富はニラ! サラダで食べても大丈夫?


ニラ




こんにちは
野菜が美味しい季節ですね。そんな春の野菜にニラがあります。餃子、麻婆豆腐、レバニラ炒めなどスタミナ系料理には欠かせませんよね。独特の香りで食欲も増進します。
ところで、ニラって火を使うお料理にばかりに使っていますが、生食は可能なのでしょうか。例えば生でサラダにするとか。
そこで今日は『ニラ』についてお話をしたいと思います。



ニラの生食


ニラ



 ニラは、東アジア原産の野菜で3000年以上前から健康に良いとされ主に薬草として利用されてきました。中国、韓国、日本では栽培が行われるほどポピュラーですが、欧米での栽培はなく、ニラは東洋の野菜といえます。


 日本へは、弥生時代に渡来し、「古事記」で加美良(かみら)や「万葉集」に久々美良(くくみら)と記載があることから、日本でも薬草として古くから利用されてきました。野菜として全国各地で栽培されるようになったのは戦後で、ギョーザなどに代表される中国料理が普及するにつれて需要が急増したからです。ちなみに、もともとは「みら」という呼び方が、後に「ニラ」になったそうです。



3種類のニラ

 ニラは、大きく分けて3種類になります。 スーパーなどで見かける「葉ニラ」の他に、日光を当てずに育てた「黄ニラ」や、葉ではなく花を食用とする「花ニラ」があります。それぞれの特徴は次の通りです。


葉ニラ
 一般にスーパーに並んでいる葉が緑色のニラです。葉ニラは、ビタミンが豊富で油との相性も良く、レバニラや野菜炒めに使われています。他にもスープやおひたし、鍋料理にも活用されます。ニラの香り成分「アリシン」には、肉の臭みを消したりする効果があり、刻んだニラを挽肉と混ぜて餃子の餡として用いられています。


黄ニラ
 黄ニラは、葉ニラの苗に光をあまり当てないようにして育てたニラです。葉ニラよりも香りが淡く、葉がやわらかくて甘味が強いのが特徴です。市場にはあまり出回らず、価格もやや高い希少な種類のニラとして知られ、高級中華料理で使われることが多いです。


花ニラ
 花ニラは、ニラの葉ではなく、黄緑色の蕾と茎を食用にします。蕾はやわらかく茎はシャキシャキとした食感が特徴で、ほんのりと甘味があり独特の香りは控えめです。蕾の食感を活かして炒め物に使います。


 同じニラでも用途によって使い分けてみると良いでしょう。市場に出回りにくい黄ニラや花ニラも、見かけたら一度試してみてはいかがでしょうか。



ニラは生食も可能?


ニラの生食


 一般的に、火を通す料理に使われているニラは、生食は可能なのでしょうか。


 実は、ニラは生で食べても美味しい野菜なんですよ。生で食べることによって、栄養を損なわないため、食べ方としては生食が一番お勧めなんです。特に、春の時期に収穫されるニラは、柔らかく茎まで食べることができるので、サラダに加えるとシャキシャキとした食感が味わえます。



生のニラは栄養満点

 ニラを生で食べると、βカロテン・ビタミンB群・ビタミンC・ビタミンE・アリシンなどの豊富な栄養が摂取できます。代表的なアリシンは、ビタミンB1の吸収を高める働きがあるので、豚肉やレバーなどと一緒に食べると疲労回復に効果に繋がります。生でニラを食べる場合は、ゴマ油などの油と一緒に摂取するとより効果的ですよ。


 また、生で食べることで殺菌効果があり、血液をサラサラし、新陳代謝をよくする働きで冷え性の緩和や整腸にも効果的です。特に根元の白い部分には葉の4倍も含まれているので、捨てずに食べるようにしましょう。



生で食べると悪いこともある

 ニラを生で食べるデメリットは、口臭です。口臭の原因は、ニラに含まれるアリシンという成分、ニラを食べると約16時間も口臭が残るといわれています。アリシンは腸で吸収され、血液を経由して、肺に運ばれます。これが吐く息に含まれて出てくるので臭いが強くなります。そのため歯磨きをしただけでは防ぐことができなくなってしまいます。


 そしてもう一つが、アリシンの優れた抗菌・殺菌作用で腸内環境が悪くなることです。生で大量に食べ過ぎしまうと、殺菌作用が強くなり過ぎてしまい、腸内環境が壊れてしまうことがあります。腸内環境が悪くなると、腹痛や下痢、便秘になりやすくなります。でもこれはあくまでも食べ過ぎてしまった場合ですから、普通に食べるぶんには大丈夫です。食べ過ぎにだけ注意しましょう。



生ニラを食べよう!

 ニラは傷みやすく、デリケートな野菜です。乾燥にも弱く、保存できる期間は短いことから、生で食べる場合には購入後、冷蔵庫の野菜室で保存し2~3日で食べるのがお勧めです。



生ニラのナムル

用意するもの

  • ニラ 一束

  • 人参 3cm


調味料A

  • しょう油 大さじ1

  • コチュジャン 小さじ1

  • 酢 大さじ1

  • 砂糖 小さじ1

  • ゴマ 大さじ1

  • ごま油 大さじ1

  • 唐辛子 適量

  • おろしニンニク お好み



作り方

  1. ニラを水洗いし、食べやすい長さに切ります。

  2. 人参を細い拍子切りにします。

  3. ニラと人参をボールで軽く混ぜておきます。

  4. 調味料Aを合わせ、野菜に混ぜ合わせます。

  5. そのまま10分くらい置いたら、完成です。



 その他にも、小松菜などをサッと茹でて使っても美味しいですよ。



ニラのピリ辛タレ


ニラのピリ辛タレ


用意するもの

  • ニラ 1束

  • 豆板醤 小さじ1

  • 味噌 大さじ1

  • 醤油 大さじ4

  • 酢 小さじ1.5

  • はちみつ 小さじ2

  • 生姜みじん切り 15g

  • ごま油 大さじ1

  • ごま 大さじ1



作り方

  1. ニラ以外の材料を、ボウル入れて良く混ぜ合わせます。

  2. タレが混ざったら、ニラを加えて完成です。



 辛い場合は、豆板醤を減らすなどで調節してください。餃子のタレにしたりと、いろいろな使い方ができますよ。



朝食!ニラ納豆

用意するもの

  • ニラ 1/2束(50g)

  • 納豆 1パック(30g)

  • ごま油 小さじ1

  • めんつゆ 小さじ1

  • 練りがらし 小さじ1/4



作り方

  1. ニラを5㎝の長さに切ります。

  2. ボウルにニラ、納豆、ごま油、調味料を加えて混ぜ合わせ完成です。





生ニラの豚肉焼き

用意するもの(2人分)

  • ニラ 半束〜

  • 豚肉 200g~300g

  • コチュジャン 適量

  • 塩胡椒 適量

  • ごま油 適量



作り方

  1. フライパンにごま油を適量ひいて、豚肉を炒めます。

  2. 豚肉に塩胡椒で味付けをします。

  3. 豚肉を炒めてる間に、ニラを約3~4センチ幅くらいに切ります。

  4. 豚肉に火が通ったら皿に盛り付け、その上に生のままのニラのせます。

  5. 上にコチュジャンを添えて完成です。



コチュジャン」がない場合

  • 砂糖 小さじ2

  • しょうゆ 小さじ1

  • 味噌 大さじ1

  • 一味唐辛子 小さじ1/3


 上記を混ぜて代用してください。



今日の最後に

 中華料理には欠かせない食材のひとつニラは、生でも美味しく食べることができます。実は生で食べた方が栄養面でのメリットが大きいといえます。ニラはビタミン類が豊富なので、加熱に弱いビタミン類をしっかり吸収したいなら生食がお勧めです。


 ニラの旬は、 3月~5月です。春に出たニラの葉は柔らかくて香りも強くてとても美味しいとされています。今回は生食をテーマにしましたがニラは加熱しても美味しい食材です。とにかく栄養が豊富なので、疲労回復など滋養強壮効果があるニラを日常の食事に美味しくとりいれてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。




www.raruka.net





今が食べ頃ソラマメ! 選び方とベストな茹で時間は?


スポンサーリンク


f:id:raruka:20210412002505j:plain




こんにちは
4月に入ると店頭で見かけことが多くなるソラマメ。大粒のしっかりした実がホクホクして美味しいですよね。そんなソラマメですが、店頭では美味しいものはどれかわかりませんよね。選び方ってあるのでしょうか。また、ベストな茹でる時間も気になるところです。
そこで今日は『ソラマメ』についてお話をしたいと思います。



ソラマメ


ソラマメ



 ソラマメは、北アフリカ原産の世界最古の農産物のひとつといわれています。もともとは古代にヨーロッパから北アフリカに伝わり、エジプトでは4000年前から栽培されていました。その後、東側へ伝えられ、2000年ほど前に中国に伝播しました。日本へは、奈良時代にインドの僧侶・菩提仙那が中国を経て持ち込んだといわれています。ソラマメの記録は江戸時代から記されていて、明治以降に栽培が始まり一般的な野菜になったそうです。


ソラマメ


 少し変ったネーミングですが、ソラマメは豆を包んでいる大きくてしっかりとしたサヤが、上に向かって垂れることがなく空の方を向いているので、ソラマメと呼ばれるようになりました。また、天へ向かって育つことから天豆(てんまめ)とも呼ばれています。でも、熟すとちゃんと下向きになるんですよ。



ソラマメの選び方

 ソラマメを選ぶ際のポイントは鮮度です。 ソラマメの美味しい時期は収穫から「3日間」といわれるほど鮮度が落ちやすい野菜なんです。豆の様子は外からはわからないので、外見からでもわかるポイントは3つです。


  • サヤがはちきれそうにふくらみ弾力のあるもの

  • サヤにツヤがあり、表面にうぶ毛がついているもの

  • サヤの上から見て豆の形がはっきりわかり、大きさが揃っているもの


 店頭ではこの3つのポイントを参考に選んでください。



ソラマメを買ったら

 ソラマメは、乾燥に弱いのでポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。ただし、先ほどもお伝えしましたが、収穫後3日ほどで鮮度が落ちるため、購入したら早めに食べ切ってくださいね。また、サヤから豆を出すと急速に鮮度が落ちるのでサヤ付きのまま保存しましょう。


 心配な場合は、冷凍保存をお勧めします。生のままか、かためにゆでて冷凍すれば長期保存も可能です。



ソラマメを食べる


ソラマメ


 ソラマメは茹でて食べることが多くなりますが、意外と迷ってしまうことは加熱時間です。何分くらい加熱すればベストなのでしょうか。





ソラマメの茹で方

用意するもの

  • サヤ付きソラマメ 600~700g

  • 塩 大さじ1

  • 水 1000ml



茹で方

  1. 茹でるに直前にサヤから出します。

  2. サヤから取り出した ソラマメの黒い部分または、反対側に包丁で浅く切り込みを入れます。

  3. 水を沸騰させ塩を加えたら中火を保ち、ソラマメを入れて2分加熱します。

  4. すぐにザルにあけてそのまま冷ます。(冷水に取ると旨味が飛んでしまうので注意が必要)



 ソラマメの茹で時間は、2分がベストです。ソラマメは茹ですぎてしまうと、シワシワになってしまったり、食感がパサついてしまいますので注意しましょう。すぐに料理に使う場合は、茹であがったらすぐに薄皮を剥くと変色が防げますよ。茹でソラマメは、冷蔵保存で2日間保存可能です。


 ソラマメの青臭さが気になる方は、茹でるときにお酒を少量入れると青臭さが軽減しますよ!



サヤごと茹でる場合
  1. ソラマメがサヤごと入る鍋にお湯を沸かします。

  2. ソラマメを入れ、2分間茹でます。

  3. 火を止めてフタをし、そのまま5分ほどおき余熱で火を通します。

  4. ザルに上げてお湯をきり冷ます。



 サヤをつけたまま茹でることでソラマメの味が凝縮され、ソラマメ本来の味をより楽しむことができます。また、サヤのまま茹でることで、茹でた後にソラマメの表面にできるシワを防ぐことができます。





電子レンジを使う場合
  1. ソラマメをサヤから取り出して薄皮に浅く切り込みを入れます。

  2. お歯黒が黒くてかたいものはその部分を取り除きます。

  3. 水で濡らして、耐熱容器に入れ、フタをするかラップをかけます。

  4. 500Wなら約3分、600Wなら約2分電子レンジで加熱します。

  5. 加熱後、塩少々を振って完成です。



焼くならフライパン
  1. ソラマメをサヤごとフライパンに並べます。

  2. 中火で4~5分焼き、焼き目がついたらひっくり返してます。

  3. さらに弱火で3~4分焼き完成です。



今日の最後に

 ソラマメが美味しい季節です。選ぶ際にはご紹介した3つのポイントを参考にしてください。食べる際には2分茹でがベストになりますが、お好みで調節してくださいね。


 ソラマメの旬は、4~6月です。ソラマメは意外と栄養が豊富な野菜です。タンパク質やミネラル、ビタミンも豊富なんです。体調を崩しやすい季節にはとても優れた食材なんですよ。茹でるだけではなく、焼いたり、揚げたりと様々な調理方法で、召し上がってみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。




www.raruka.net





旬のウド! ウドもアク抜きが必要?


春の旬




こんにちは
暖かいこの時期は、春の山菜が美味しいですよね。蕗の薹やタラの芽、ウドもそのひとつですね。ウドはシャキシャキとした歯ざわりと春らしい香りで楽しませてくれます。ただ、少しアクがるので下処理を行う必要があるのが難点でしょうか。今回は下処理の方法を紹介しながらウドの話をしたいと思います。
そこで今日は『ウド』についてお話をしたいと思います。


旬のウド


ウド



 ウドには2種類あり、全体が白い「軟白ウド(東京ウド)」と、緑色の「山ウド」が存在します。 とはいえ、どちらも同じなのですが、軟白ウドは地下で栽培するなど日光を当てずに育てるため全体が白くなります。ホワイトアスパラガスと同じですね。一方、山ウドは、野生のウドを指し野生種は収量が少なくてあまり流通していません。店頭で見かける「山うど」の多くは、軟化うどに日光を当てて緑化させたものがほとんどです。


ウド


 ウドは、日本、中国、韓国に自生していますが、日本で改良され栽培化された日本原産の野菜なんですよ。日本では、古くから食されており、奈良時代の遺跡からは「独活」と書かれた木簡が複数見つかっています。ちなみに、「独活」は漢字名。江戸時代に「入ると栽培が行われて、根は乾燥させたものを生薬として使っていたそうです。その後は、品種改良が進み、現在では群馬県や栃木県など関東地方を中心に栽培が盛んに行われています。



ウドのアク

 旬のウドは「アク」をたくさん含んでいます。食べる前には下処理が必要になります。特にウドは生食も可能な野菜なので生食を目的とした場合は、必ずアク抜きを行ってくださいね。アクをそのまま食べると口の中がいがらっぽくなります。加熱する料理の場合はそれほどアク抜きの必要はありません。



ウドのアク抜き

用意するもの
ウド
酢水 (400~500mlの水に対して、小さじ1杯の酢を目安)


やり方

  1. ウドをこすり洗いします。

  2. 産毛のような毛を包丁の背でこそげ落とします。

  3. ウドを4~5cmに切り、厚めに皮を剥きます。

  4. 皮を剥いたウドを、調理法の用途に合わせて切り、酢水に10分浸けてアク抜きをします。(生のまま食べる場合は、15分から20分ほど漬けておきます)

  5. しっかりと水気を切り完了です。



 皮にはアクが多く含まれているので、厚めに剥くのがポイントです。



 時間短縮したい場合は、酢水で茹でましょう。


やり方

  1. 鍋に水を入れ酢をいれ良く混ぜ沸騰させます。

  2. ウドは調理の用途に合わせて切ります。

  3. 切ったウドを沸騰した酢水に入れて茹でます。

  4. 再沸騰したら、1~2分茹でて火を止めます。

  5. アク抜き完了です。



 茹ですぎるとシャキシャキとした食感が無くなってしまいますので、サッと茹でてください。




食べきれないときは冷凍保存!

 ウドは低温に弱いので、冷蔵庫で保存する方法はお勧めできません。冷蔵保存すると茶色く変色する場合があります。ウドを下処理し、余った場合は冷凍保存がしましょう。

 アク抜きをして、冷ましたら、水気をよく取り密封できる袋などに入れ、冷凍庫で保存します。冷凍保存期間は、1ヶ月くらい保存できますよ。調理の際には、自然解凍して調理に使ってください。



ウドの酢味噌和え

用意するもの(4人分)

  • ウド 太さ2~3cmのもの数本

調味料A

  • 酢 大さじ1

  • 味噌 大さじ2

  • 砂糖 大さじ2



作り方

  1. ウドを葉の部分と茎を切り分けます。

  2. ウドは生のまま、ピーラーで皮を剥きます。

  3. 5mm強の幅に斜め切りをします。

  4. 斜め薄切りにしたウドを、分量外の酢水に浸けます。

  5. ボウルに調味料Aを入れて混ぜ、ウドを入れて和えます。

  6. 半日ほどで味が馴染むので、完了です。



 酢味噌と和えるのは、できるだけ食べる直前にしましょう。作りおきすると、ウドから水分が出るので注意しましょう。




牛肉と山うど炒め

用意するもの (1人分)

  • 牛肉薄切り 80g

  • 山ウド 茎の部分 70g

  • ごま油 大さじ1

  • 焼肉のタレ 中辛 大さじ2

  • 酢水 適量



作り方

  1. ウドを3cm幅に切ったら下処理をする。

  2. 牛肉を2cm幅に切ります。

  3. フライパンにごま油を入れて熱し、牛肉に火を通します。

  4. ウドを入れて強火にし、サッと炒めたら焼肉のタレをまわしかけ、タレを 煮詰めたら完成です。



 ウドの風味と焼き肉のタレでご飯が進みますよ。



今日の最後に

 春の代表的山菜のひとつウドは、 数少ない日本原産の野菜です。アクが強い山菜なのでアク抜きをしてから食べるようにしましょう。


 ウドの旬は、春~初夏です。 ほとんどが水分でカロリーがゼロに近いことから、ダイエット食には最適な食材です。そして注目したいのがアスパラギン酸が多く含まれていること。アスパラギン酸は、体内の新陳代謝を高めて疲労回復に効果があるほか、カルシウムやカリウムなどのミネラルを体の隅々まで運ぶ働きがあります。お天気が不安定なこの時期、ウドは体のためにとても良い食材といえますね。今が旬ですので召し上がってみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。



www.raruka.net





旬の蕗! アク抜きはどうやるの? 


春の食材




こんにちは
初春の山菜も終わり、最近では初夏のような陽気ですね。蕗の薹も終わりで、次は蕗の出番です。この時期お惣菜コーナーによく並んでいますよね。
この旬の蕗ですが、アクが強いって言われていますが、自分で処理することは難しいものなのでしょうか。でも、一度は挑戦してみたいですよね。
そこで今日は『旬の蕗』についてお話をしたいと思います。


旬の蕗


蕗



 蕗(フキ)は、日本原産の山菜で平安時代から栽培が続いているという一説もあるほど、古くから愛されている野菜のひとつです。一般的に、蕗として食用になっている部分は、葉柄にあたるところで、長く伸びているので茎のように見えますが、実際は葉の一部なんです。円形に広がる葉と地下茎を結ぶ通路の役割があります。


 意外にも蕗の種類は多く、大きく分類すると4つに分かれます。意外な話だったので紹介します。


愛知早生(あいちわせ)蕗
 一般的にスーパーなどのお店に出回っている蕗の種類で、愛知県で多く栽培されています。葉が大きく、葉柄は1m前後あります。食感はやわらかめで、風味と香りが良い蕗です。


水蕗
 出荷量が少なく、あまり出回っていない種類になります。多くは京都、奈良の近畿地方で栽培され、苦味、繊維が少なく、食感はやわらかめで、香り強いのが特徴です。


山蕗
 天然物の蕗を山蕗と呼びます。自生する場所によって呼び名が変わり、別名が多いです。柄の下側が赤く色づいているものもあります。愛知早生ふきと比較すると、香りが強いです。一般的に、つくだ煮のきゃらぶきに使われています。


秋田蕗
 秋田の名物になっている種類です。繊維が硬くて野菜としてあまり出回っていない種類になります。葉柄が1.5~2mほど、葉の直径は1mほどになる大きな蕗です。つくだ煮などの加工に使われることが多いです。


 この他に自然の蕗を合わせると、なんと200種類以上あるそうです。



蕗を食べよう!


蕗


 香りとほろ苦さ、そして食感に特徴を持つ蕗ですが、灰汁もあるため、食べる前のアク抜きと、皮と筋を剥いて下処理をする必要があります。少し面倒な作業ですが、ひと手間かけると美味しくなるので必ず行いましょう。




蕗のアク抜き
  1. 蕗が長い場合は20㎝くらいに切ります。

  2. 塩をまぶし、まな板にこすりつけるようにして板ずりをします。

  3. 転がすようにこすります。1分ほどやさしく両手で転がせばOKです。

  4. たっぷりの熱湯に、太い部分から細い部分へと順に入れて2分茹でます。(蕗が太い場合は3分を目安)

  5. よく茹でたら、冷水に取り色の変色を防ぎます。

  6. 粗熱が取れたら、15分流水に晒します。(これでアクがほとんど流れます)

  7. 食べると口に残る部分の外側にある皮(繊維)を剥きます。(まわりの繊維を集め、一気に引っぱって皮を剥く)

  8. アク抜き(下処理)の完了です。



 保存容器に入れて水に浸けて冷蔵保存します。毎日水を替えれば3~4日ほど保存できます。  




葉のアク抜き
  1. 蕗の葉にもアクがあるので、アク抜きをします。

  2. 鍋にたっぷりの湯を沸かし、水1Lに対して大さじ1の塩を入れます。

  3. 蕗の葉を入れて3~4分程度茹でます。

  4. 葉を5分ほど水にさ晒します。

  5. ザルにあけてよく水を絞り完了です。



 水分を切って保存袋に入れて冷蔵保存します。2~3日で使い切りましょう。



定番!蕗の煮物


蕗の煮物


用意するもの(4人分)

  • 蕗 葉付きの80cm前後の長さのもの1束(5~10本前後)

  • 塩 大さじ2

調味料A

  • だし汁 200ml(無い場合は、水200ml+顆粒和風だしの素 小さじ1/2)

  • 酒 大さじ3(45ml)

  • みりん 大さじ1(15ml)

  • しょうゆ 大さじ1(15ml)



作り方

  1. 下処理した蕗の水気を切り、端から4~5cm幅(指3本分の幅目安)に切ります。

  2. 鍋に合わせ調味料Aの材料を入れ、中火にかけてます。

  3. 煮立ったら、蕗を入れ、再び煮立ったら弱火にし、10分ほどコトコト煮ます。(アク取りシートがあれば、落とし蓋として、上からかぶせておきましょう)

  4. 火を止めます。冷ましながら、味を染み込ませます。(火を止めたら、アク取りシートは取り除きます)

  5. 器に盛り付けて完成です。



 粗熱を取ってから、消毒した保存容器に入れて冷蔵庫で保存してください。3~4日で食べ切ってくださいね。



蕗と油揚げの炊き込みご飯



用意するもの(4~5人分)

  • 米 2合

  • 蕗(20㎝くらい) 6本

  • 油揚げ 1枚

  • 生姜 2かけ

  • 白だし 大さじ3



作り方

  1. 米を洗い、油揚げは油抜きをして、半分に切り細切りにします。生姜も千切りにしてさっと水に晒します。

  2. 炊飯器に米と具材を入れ、白だしと水も加えて炊飯します。(白だし大さじ1/2は残しておきます)

  3. 下処理をした蕗を小口切りにし、白だし大さじ1/2で和えて馴染ませておきます。

  4. ご飯が炊き上がったら、蕗を混ぜ合わせます。

  5. 盛り付けて完成です。



蓋の牛肉丼風



用意するもの(材料2人分)

  • 蓋 150g

  • 牛肉 150g

  • サラダ油 大さじ1


調味料A

  • 砂糖 大さじ2

  • 酒 大さじ2

  • 醤油 大さじ2


  • ご飯 2膳分

  • 温泉卵 2個



作り方

  1. 下処理した蕗は、2~3センチの長さに切ります。

  2. 鍋を熱し、サラダ油を引いたら蓋と牛肉を炒めます。

  3. 牛肉の色が半分くらい変わってきたら調味料Aの砂糖 大さじ2、酒 大さじ2、醤油 大さじ2の調味料を加えて2分くらいさっと煮ます。

  4. 器にご飯を盛り付け、具材をのせます。

  5. 温泉卵をのせて完成です。



 牛肉は煮すぎると硬くなってしまうので、柔らかく仕上げるにはさっと煮ることがポイントです。



今日の最後に

 蕗は、日本原産の山菜で古くから日本人に親しまれてきた野菜です。しかし、蓋はアクが強いので調理前にアク抜きが必要です。少し面倒くさいかもしれませんが、美味しく食べるために必ず行ってくださいね。


 蕗の旬は、4~5月です。蕗に含まれる不溶性食物繊維は腸の運動を活発にして便の排泄を促す働きがあります。糖の吸収を穏やかにし血糖の急激な上昇を防いだりもしてくれますよ。今が食べ頃ですので、召し上がってみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。




www.raruka.net