夏の野菜! 「なすび」の語源
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こんにちは
茄子が美味しくなる季節ですね。油との相性も良く、万能な野菜ですよね。
ところで、茄子は「なすび」とも言いますが、どうして「び」を付けたのでしょうか。
そこで今日は『なすび』についてお話をしたいと思います。
なすび
茄子はインド原産の野菜です。日本へは奈良時代には中国から渡来していたと言われています。当時はとても貴重な食べ物だったので、天皇や貴族など身分の高い方しか食べることができなかったそうです。
なすびの語源
なすびは漢字で書くと「奈須比(なすび)」になります。
これは、平城京から出土した木簡に、粕漬けの「韓奈須比」が進上されたと記されているので、この時代には「奈須比(なすび)」と呼ばれていたこと分かります。
と言うことは、「奈須比(なすび)」は正しい名称なんですね。
なすびの語源
なすびの語源は数多く存在します。
もっとも有力なものは、茄子の味から付けされは説です。
この当時の茄子は、現在のものよりも小ぶりで味が酸っぱいものでした。
「中が酸っぱい実」ということから「なかすみ」と呼ばれ、やがて「なかすみ」が「なすみ」になり、最終的に「なすび」と呼ばれるようになりました。そして、奈須比という漢字があてられました。
「なかすみ」⇨「なすみ」⇨「なすび」
その他にも、
夏に実がなることから「夏の実(なつのみ)」が転じて「なすび」になった説などがあります。
こうしてこの呼び名は、都があった関西地方を中心に「なすび」という呼び名で広がって行きました。ちなみに、「なすび」の「び」は「実」を表しているそうです。
なすびの「び」が消えたのは?
「び」が消えて「なす」になったのは室町時代のことです。
このことは室町時代の食事の調度などが置かれた御湯殿(おゆどの)に仕える女官が交代でつけた日記から知ることができます。
御湯殿上日記(おゆどののうえのにっき)
文明一五年(1483)五月一五日に「松木よりなすの小折まいる」
と記されています。
このことから「び」は室町時代には消えていたことが伺えます。ちなみに、室町時代に女官たちは「おなす」と呼んでいたそうですよ。
今日の最後に
「なすび」の「び」は後から付けられたと思っていたのですがそうではないようです。どちらの呼び方が古いかというと「なすび」の方でした。なすびにはかなり古い歴史があったんですね。
茄子の旬は、7~9月です。90%以上は水分ですが、ポリフェノールを多く含んでいて強い抗酸化力があり、ガンや生活習慣病のもとになる活性酸素を抑える働きがあります。また、身体を冷やす効果があるので暑い季節にはピッタリの野菜です。茄子が美味しい時期に召し上がってみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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