春の和菓子桜餅! 「どうして桜の葉に包まれているの?」
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こんにちは
桜が咲きはじめましたね。暖かい春がやってきますね。
桜といえばやっぱり桜餅。春を代表するお菓子ですよね。
ところで、桜餅ってどうして桜の葉で包まれているのでしょうか。見た目だけで桜の葉を使っているのでしょうか。
でも、それなら綺麗な若い綺麗な葉を使いますよね。
そこで今日は『桜餅』についてお話をしたいと思います。
桜餅
桜餅は、桜の葉で餅菓子を包んだ春の和菓子のひとつです。桜餅は2種類が存在し、皮を餡に巻いて桜の葉でくるんだ関東風の「長命寺(ちょうめいじ)」と、餡をお餅で包んだものを桜の葉でくるんだ関西風の「道明寺(どうみょうじ)」に分かれます。どちらも「桜餅」に間違いはありませんが、区別するときにだけ「長命寺」と「道明寺」と分けて呼んでいるそうです。
関東風の桜餅 長命寺
小麦粉を水でのばして、薄く焼き小豆餡を包んだクレープ状の桜餅です。発祥から「長命寺」とも呼ばれています。
最初に作られたのは、江戸時代の1717年(享保2年)、隅田川沿いにある長命寺の門番・山本新六が、桜の落葉掃除に悩まされていたところ、葉っぱを何かに使えないかと考えた末に、樽で塩漬けにした桜の葉っぱをお餅に巻いて門前で売り出したのがはじまりとされています。
関西風の桜餅 道明寺
もち米を蒸してから乾燥させ、粗挽きした道明寺粉の皮で餡を包んだ桜餅です。大阪の道明寺で保存食として食べられていた「道明寺粉」を使って作られているので「道明寺」または「道明寺餅」と呼ばれています。関西の桜餅はこちらが主流になります。
特徴は、餅の表面がツブツブとしていて、食感も粘りや弾力に優れている点です。粒餡が主流になります。ちなみに、道明寺は葉っぱがお餅にひっついてはがしにくいため、人前で食べる際には葉っぱごと食べることが一般的です。
桜餅が桜の葉に包まれている理由
当初は落ち葉の再利用でしたが、葉を漬けることでその価値は変わりました。主な役割は2つです。
「お餅に香りを付けるため」
「お餅の乾燥を防ぐため」
桜の香り付け
塩漬けして発酵した桜の葉には「クマリン」という成分が含まれていて、独特の香りたちます。人工的な香料を使わずに、葉で桜の香り付けをしています。この桜の葉は、生の桜の葉に香りはありませんが、塩漬けすることであの独特な桜の香りが出てくるんですよ。
現在、桜餅で使われている葉はオオシマザクラ(産地は主に伊豆半島)という桜の種類で、他の桜よりも葉の香りがあります。この独特な香りが、リラクゼーション効果・血行促進効果・うつ状態の改善・咳止めの効果・抗菌作用など身体に良い効果を与えてくれます。
お餅の乾燥を防ぐ
桜餅はお餅ですから乾燥すると固くなってしまいます。桜の葉と使って、お餅を包むことでお餅の露出を少なくし乾燥を防ぎます。
乾燥してしまうと一気に劣化が進んでしまい、美味しく食べることができる期間が短くなってしまいます。そこで、乾燥を防ぐため塩漬けした桜の大きな葉っぱを使ってお餅を包むようになりました。さらに、桜の葉を巻くことで抗菌作用が生まれ、衛生的な面でもその理由になっています。
ということで、桜の葉を使う理由はこの2つです。もう少しだけ言うと、塩味を付けることも理由になります。桜餅って薄っすらと塩味が効いていますよね。塩味は、餡子やお餅の甘さを引き立てる意味があって、桜餅にとって重要な調味料になっているんです。少量の塩は甘味を呼び出しますからね。ちなみに、醤油漬けにした葉を使った時代もあったそうですよ。もちろんNGですよね。なお、葉を食べる、食べないは本人次第です。
桜餅を手作りしよう!
普段はお店で買うことが多い桜餅ですが、自宅でも作ることができますよ。
桜餅の作り方(関東風 長命寺)
用意するもの(10個分)
小豆餡
小豆 300g
グラニュー糖(上砂糖可) 300g
生地
作り方(餡子と下準備)
小豆はサッと洗い、たっぷりの水に半日浸けます。
桜の葉の塩漬けは水に1時間ほど浸けて塩抜きをし、水気を拭き取ります。
上白糖と薄力粉は合わせて振るいます。
小豆の水気を切って大きめの鍋に入れ、水を小豆より2~3cm上まで加えて強火にかけます。
沸騰したら一度ザルに上げて、再び小豆を鍋に戻し、水をたっぷり加えて強火にかけます。
沸騰したら、約50℃の温度まで水を加え下げて、弱火にしてコトコトと1時間~1時間30分、アクを取りながら茹でます。
小豆が指で簡単につぶれるようになったら茹で上がりです。
豆が湯にたっぷりかぶっている状態になるまで水の量を調整し、グラニュー糖を半量加えて弱火で10~15分間煮ます。
残りのグラニュー糖を加え、さらに10~15分間煮ます。
2/3の量を鍋に残して再び弱火にかけ、木べらで練りながら焦がさないように水分をとばします。
約15分間練り続けてから、バットなどに移して粗熱を取ります。
フードプロセッサーにかけ、バットに広げて1時間ほど置き完成です。
生地を作る
別のボウルを用意して、薄力粉と上白糖を入れ、先程の白玉粉を少しずつ加えて泡立て器で混ぜます。
小さめの器に食紅を水少々で溶き、竹ぐしなどを利用して少しずつ白玉粉に混ぜ合わせます。
混ぜたら室温で約20分間休ませます。
フライパンを弱火で温め、サラダ油を薄く敷き、生地を大さじ2ほどとり、だ円を描くようにフライパンに広げます。
表面が乾いて周りが反り返ってきたら、裏返し、裏面も乾かす程度に焼きます。
1枚焼き上がるごとに、乾燥を防ぐために濡れフキンではさみます。
小豆餡を30gずつに分けて丸め、皮で小豆餡を包みます。
桜の葉で巻いて完成です。
小豆餡は時間がかかるので市販のものを使っても構いません。また、食紅を使わずに苺ジャムを使っても美味しいですよ。挑戦してみてくださいね。
桜餅の作り方(関西風 道明寺)
用意するもの(10個分)
道明寺粉(着色されてるもの) 100g
砂糖 大さじ1
餡子 10個分(150g)
桜の葉 10枚
水 140ml
作り方
塩漬けの葉を10分水に浸し、塩抜きをします。
耐熱ボールに道明寺粉・水140ml・砂糖大さじ1を入れ軽く混ぜ、ラップをして600Wで4分加熱します。
加熱したら軽く混ぜてラップに包み俵型にして、10等分に分けます。
餡子は15gずつで分けておきます。
餅を薄く伸ばして餡子で包みます。
桜の葉を巻いて完成です。
手を少量の水で濡らしながら包むと、きれいに包むことができますよ。
今日の最後に
桜餅に桜の葉を使う理由は、「お餅に香りを付けるため」と「お餅の乾燥を防ぐため」です。いずれも塩漬けにして加工されているのでこの2つが可能になります。また、塩漬けにすることで塩分を与えるといった意味も兼ねています。
春の和菓子桜餅の葉には、クマリンという成分が含まれています。塩漬けすることによって発酵し、酵素の作用によって、あの桜の葉特有の香り成分「クマリン」が生じます。芳香、抗菌作用に加え、血圧低下作用、アルツハイマーの防止や回復、ガンの抑制作用といった効果があるんですよ。春です!江戸時代に生まれたクマリンの香りを楽しみながら、桜餅を食べてみてはいかがですか。
最後までお読みいただきありがとうございました。