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旬の蕗! アク抜きはどうやるの? 

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春の食材




こんにちは
初春の山菜も終わり、最近では初夏のような陽気ですね。蕗の薹も終わりで、次は蕗の出番です。この時期お惣菜コーナーによく並んでいますよね。
この旬の蕗ですが、アクが強いって言われていますが、自分で処理することは難しいものなのでしょうか。でも、一度は挑戦してみたいですよね。
そこで今日は『旬の蕗』についてお話をしたいと思います。


旬の蕗


蕗



 蕗(フキ)は、日本原産の山菜で平安時代から栽培が続いているという一説もあるほど、古くから愛されている野菜のひとつです。一般的に、蕗として食用になっている部分は、葉柄にあたるところで、長く伸びているので茎のように見えますが、実際は葉の一部なんです。円形に広がる葉と地下茎を結ぶ通路の役割があります。


 意外にも蕗の種類は多く、大きく分類すると4つに分かれます。意外な話だったので紹介します。


愛知早生(あいちわせ)蕗
 一般的にスーパーなどのお店に出回っている蕗の種類で、愛知県で多く栽培されています。葉が大きく、葉柄は1m前後あります。食感はやわらかめで、風味と香りが良い蕗です。


水蕗
 出荷量が少なく、あまり出回っていない種類になります。多くは京都、奈良の近畿地方で栽培され、苦味、繊維が少なく、食感はやわらかめで、香り強いのが特徴です。


山蕗
 天然物の蕗を山蕗と呼びます。自生する場所によって呼び名が変わり、別名が多いです。柄の下側が赤く色づいているものもあります。愛知早生ふきと比較すると、香りが強いです。一般的に、つくだ煮のきゃらぶきに使われています。


秋田蕗
 秋田の名物になっている種類です。繊維が硬くて野菜としてあまり出回っていない種類になります。葉柄が1.5~2mほど、葉の直径は1mほどになる大きな蕗です。つくだ煮などの加工に使われることが多いです。


 この他に自然の蕗を合わせると、なんと200種類以上あるそうです。



蕗を食べよう!


蕗


 香りとほろ苦さ、そして食感に特徴を持つ蕗ですが、灰汁もあるため、食べる前のアク抜きと、皮と筋を剥いて下処理をする必要があります。少し面倒な作業ですが、ひと手間かけると美味しくなるので必ず行いましょう。




蕗のアク抜き
  1. 蕗が長い場合は20㎝くらいに切ります。

  2. 塩をまぶし、まな板にこすりつけるようにして板ずりをします。

  3. 転がすようにこすります。1分ほどやさしく両手で転がせばOKです。

  4. たっぷりの熱湯に、太い部分から細い部分へと順に入れて2分茹でます。(蕗が太い場合は3分を目安)

  5. よく茹でたら、冷水に取り色の変色を防ぎます。

  6. 粗熱が取れたら、15分流水に晒します。(これでアクがほとんど流れます)

  7. 食べると口に残る部分の外側にある皮(繊維)を剥きます。(まわりの繊維を集め、一気に引っぱって皮を剥く)

  8. アク抜き(下処理)の完了です。



 保存容器に入れて水に浸けて冷蔵保存します。毎日水を替えれば3~4日ほど保存できます。  




葉のアク抜き
  1. 蕗の葉にもアクがあるので、アク抜きをします。

  2. 鍋にたっぷりの湯を沸かし、水1Lに対して大さじ1の塩を入れます。

  3. 蕗の葉を入れて3~4分程度茹でます。

  4. 葉を5分ほど水にさ晒します。

  5. ザルにあけてよく水を絞り完了です。



 水分を切って保存袋に入れて冷蔵保存します。2~3日で使い切りましょう。



定番!蕗の煮物


蕗の煮物


用意するもの(4人分)

  • 蕗 葉付きの80cm前後の長さのもの1束(5~10本前後)

  • 塩 大さじ2

調味料A

  • だし汁 200ml(無い場合は、水200ml+顆粒和風だしの素 小さじ1/2)

  • 酒 大さじ3(45ml)

  • みりん 大さじ1(15ml)

  • しょうゆ 大さじ1(15ml)



作り方

  1. 下処理した蕗の水気を切り、端から4~5cm幅(指3本分の幅目安)に切ります。

  2. 鍋に合わせ調味料Aの材料を入れ、中火にかけてます。

  3. 煮立ったら、蕗を入れ、再び煮立ったら弱火にし、10分ほどコトコト煮ます。(アク取りシートがあれば、落とし蓋として、上からかぶせておきましょう)

  4. 火を止めます。冷ましながら、味を染み込ませます。(火を止めたら、アク取りシートは取り除きます)

  5. 器に盛り付けて完成です。



 粗熱を取ってから、消毒した保存容器に入れて冷蔵庫で保存してください。3~4日で食べ切ってくださいね。



蕗と油揚げの炊き込みご飯



用意するもの(4~5人分)

  • 米 2合

  • 蕗(20㎝くらい) 6本

  • 油揚げ 1枚

  • 生姜 2かけ

  • 白だし 大さじ3



作り方

  1. 米を洗い、油揚げは油抜きをして、半分に切り細切りにします。生姜も千切りにしてさっと水に晒します。

  2. 炊飯器に米と具材を入れ、白だしと水も加えて炊飯します。(白だし大さじ1/2は残しておきます)

  3. 下処理をした蕗を小口切りにし、白だし大さじ1/2で和えて馴染ませておきます。

  4. ご飯が炊き上がったら、蕗を混ぜ合わせます。

  5. 盛り付けて完成です。



蓋の牛肉丼風



用意するもの(材料2人分)

  • 蓋 150g

  • 牛肉 150g

  • サラダ油 大さじ1


調味料A

  • 砂糖 大さじ2

  • 酒 大さじ2

  • 醤油 大さじ2


  • ご飯 2膳分

  • 温泉卵 2個



作り方

  1. 下処理した蕗は、2~3センチの長さに切ります。

  2. 鍋を熱し、サラダ油を引いたら蓋と牛肉を炒めます。

  3. 牛肉の色が半分くらい変わってきたら調味料Aの砂糖 大さじ2、酒 大さじ2、醤油 大さじ2の調味料を加えて2分くらいさっと煮ます。

  4. 器にご飯を盛り付け、具材をのせます。

  5. 温泉卵をのせて完成です。



 牛肉は煮すぎると硬くなってしまうので、柔らかく仕上げるにはさっと煮ることがポイントです。



今日の最後に

 蕗は、日本原産の山菜で古くから日本人に親しまれてきた野菜です。しかし、蓋はアクが強いので調理前にアク抜きが必要です。少し面倒くさいかもしれませんが、美味しく食べるために必ず行ってくださいね。


 蕗の旬は、4~5月です。蕗に含まれる不溶性食物繊維は腸の運動を活発にして便の排泄を促す働きがあります。糖の吸収を穏やかにし血糖の急激な上昇を防いだりもしてくれますよ。今が食べ頃ですので、召し上がってみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。




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