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お節料理! 蒲鉾を使う理由

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お正月




こんにちは
12月も後半ということで、お正月が間近に迫ってまいりました。お節料理が楽しみですね。
ところで、お節料理といえば必ずといってもいいくらい蒲鉾が入っていますよね。「どうして?」って思いませんか。スーパーに行けば一年中、手に入りますよね。お正月に食べる理由はあるのでしょうか。
そこで今日は『蒲鉾』についてお話をしたいと思います。


お節料理の蒲鉾


蒲鉾



 蒲鉾は、 魚のすりみを加工した練り上げて作る加工食品で、魚肉のすり身に調味料などを加えて形を整え、蒸したり焼いたりして固めたものです。蒲鉾という名前は、出来上がった物が蒲(ガマ)の花穂に形が似ていることから付けられました。



蒲


 蒲というのは川辺に生えている植物で、「焼きちくわ」に似ています。「焼きちくわの形と蒲鉾がどうして結び付くの」と思うかもしれませんが、最初の蒲鉾は現在の「焼きちくわ」の形だったそうです。さらに蒲の穂が、長い槍のような「鉾(ほこ)」と形が似ていることから、「蒲の鉾」と呼ばれ、いつしか「蒲鉾(かまぼこ)」と呼ばれるようになりました。ちなみに、現在の様な板付きの形になったのは室町時代の中期のことで、当時はナマズを使っていたそうです。この板付きの蒲鉾が登場したことで、それまで蒲鉾と呼ばれたものは、切り口が竹の形に似ていることから、「ちくわ(竹輪)」と呼ばれるようになったそうです。


 蒲鉾が誕生した当時は、蒸して作られていたのではなく、直火で炙り焼いた焼抜き蒲鉾で、現在の竹輪に似たものでした。現在私たちが食べている蒸して作る蒲鉾が登場したのは、江戸時代になってからのことです。今でも関東は蒸し蒲鉾、関西では焼蒲鉾が好まれています。


 古くから食されていた蒲鉾ですが、どうしてお節料理に使うようになったのでしょうか。「紅白だから」と思われるかもしれませんが、他にも理由があるみたいです。



お節料理と蒲鉾


蒲鉾


 はじめに蒲鉾の形です。半円の形は初日の出に似ていて、朝日が昇るように明るい門出を連想させます。


 そして蒲鉾の色ですが、紅色は魔除けの色であり、白色は清らかさ・神聖さを表します。


 お節料理は、年神様(としがみさま)へのお供え物ですから、初日の出の清らかさと、赤い蒲鉾の魔除け、白い蒲鉾の浄化、この3つを表す蒲鉾はお供え物として適したものでした。



蒲鉾の盛り付け

 紅白でおめでたい蒲鉾は、重箱などに盛り付けるときに順番にがあります。


 「白が左側、赤が右側」が基本になります。


 これは、「右側に華やかなものを据える」という、日本に古来から伝わる、「右紅左白(うこうさはく)」と呼ばれる慣習によるものです。


 この使い方は水引きと同じですね。馴染みがない方は、お雛様を思い浮かべると良いですよ。「向かって右側に華やかなお雛さま(赤)」と覚えると良いと思います。



一松蒲鉾


 蒲鉾の盛り付けで簡単なのが市松模様に並べるやり方です。一松蒲鉾にする場合は、はじめの一つ目を右紅左白にしてください。一松蒲鉾の作り方は下記のとおりになります。


  1. 紅白の蒲鉾を横にぴったりと並べ、一緒に1cm幅に切ります。

  2. 紅と白を1切れずつ交互に並べ、縦半分に切ります。

  3. 手前側の端の蒲鉾を1切れ外して、紅白になるようにずらします。

  4. 外した1切れを、反対側の端に置き並べて完成です。



 今日の最後に

 お節料理に蒲鉾を使う理由は、半円の形が初日の出に似ており、紅色は魔除けの色で、白色は清らかさを象徴する色なので使われています。


 蒲鉾は一度では食べ切れず余ることがありますよね。そんなときには、「板につけたまま」保存するのがベストです。 板には蒲鉾の水分を調節して、カビや細菌の繁殖を減少させる効果があります。あとは、ラップで包み冷蔵保存してください。また、均等に切りたい場合には10等分に切ると良いですよ。厚さが12mm幅に揃い、使い勝手も良くなります。お試しください。
最後までお読みいただきありがとうございました。



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