寒い日には「ほうとう」 ほうとうには体を温める要素がある
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こんにちは
寒い日に食べたい熱々のうどん。その種類は数多くありますが、この時期に食べたいのが「ほうとう」です。平たい麺と味噌味のスープが相性が良く美味しいですよね。それにお野菜がたっぷりなのも嬉しいです。
ところで、「ほうとう」と「うどん」は似ていますが同じ物なのでしょうか。何か違うところがあるのでしょうか。
そこで今日は『ほうとう』についてお話をしたいと思います。
ほうとう
ほうとうは、小麦粉を練り太めに切って作った麺を、カボチャなどの具材を味噌仕立ての汁で煮込んだ郷土料理です。 主に山梨県を中心とした地域で食されています。2007年に農林水産省が各地に伝わるふるさとの味の中から決める「農山漁村の郷土料理百選」の一つに選ばれました。
「ほうとう」いう名前の由来については、中国から禅宗と一緒に渡来してきた「饂飩(はくたく)」の音便(おんびん)したものに由来するそうです。
饂飩(はくたく)は、うどん粉を水を足して練り、細長く切ったものです。歴史は古く、奈良時代に書かれた漢字辞書の「楊氏漢語抄」や院政期の漢和辞書である「色葉字類抄」に「白澤( ハクタク・ハウタウ)」として饂飩が記されています。
この「ハウタウ」が平安時代に訛って「ほうとう」と呼ばれるようになりました。その他にも数多くの説がありますが、饂飩(はくたく)説が有力です。
「ほうとう」と「うどん」の違い
「ほうとう」と「うどん」はよく似ていますが違いがあります。決定的な違いは3つです。
製法
うどんは、コシを出すために小麦粉に3%以上の塩を加えて練りますが、ほうとうは塩を使わずに練ります。これはモチモチの食感を出すためです。
ほうとう 無塩
うどん 有塩 (3%以上)
熟成
うどんは、のど越しを良くするために2時間以上寝かせて熟成させますが、ほうとうは熟成をせずに、練り上がったらそのまま切って食べます。
ほうとう 熟成なし
うどん 2時間ほど熟成させる
茹で
うどんは、下茹でをしますが、ほうとうは麺を下茹ですることなく打ち粉が付いてまま煮込みます。また、ほうとうは練り上げたままの状態でちぎって煮こむこともあります。
ほうとう 下茹でなし
うどん 下茹であり
ほうとうは、塩を加えないことによってコシが弱くなり、煮込むと麺からデンプンが溶けてトロミが付きます。決定的なうどんとの違いはこの3つになります。
このトロミが体を温めてくれるので、寒い日には「うどん」より「ほうとう」をお勧めします。
余談ですが、きしめんは有塩なので、ほうとうとは違います。また、太さはも幅が4.5ミリ以上、厚さが2ミリ未満とJAS規格で定義されているので、ほうとうとは異なります。
ほうとうの作り方
用意するもの(4人分)
ほうとう 360g(冷凍うどん可)
カボチャ 300g
ニンジン 50g
大根 100g
油揚げ 1 枚
白菜 200g
小松菜 4株
シメジ 60g
長ねぎ 20cm
水 1800ml
煮干し 80g
昆布 8g
味噌 大さじ5
作り方
煮干しの頭と腹ワタを取ります。
水に煮干しと昆布を入れて、30分程度浸けておきます。
各具材を食べやすい大きさにカットします。
煮干しと昆布がしっかりふやけたら、火にかけて中火でゆっくり煮ます。煮立ったら弱火にしアクをすくいます。
火を止めて昆布を取り出し、だし汁は網でこして鍋に移し煮干しを取り除きます。(昆布は細く切り、ほうとうの具材として使います)
出し汁に、大根、人参、油揚げ、しめじを加え、昆布も入れて火にかけます。
沸騰したら一度アクを取り、蓋をして弱火で5分ほど煮ます。
ほうとう、カボチャ、白菜を加え中火~弱火で蓋をして5分ほど煮ます。(カボチャに火が通っていればOKです)
ねぎ、小松菜を入れ、2分ほど煮ます。
出し汁をボウルに取り、味噌を溶かし鍋に戻します。
一煮立ちしたら火を止め完成です。
キノコや油揚げは、水から煮ると良い出汁が出ますよ。カボチャはトロミを付けるためには必要ですが、用意できない場合は他の野菜で代用してください。また、煮干しや昆布がない場合も、だしの素で代用してくださいね。
今日の最後に
ほうとうは、山梨県に伝わる郷土料理の一つです。うどんと似ていますが、違いは3つ。塩、熟成、茹で方です。
ほうとうは麺を練った後、寝かさずにすぐに切って煮こみます。うどんと違い麺に塩を使っていないため煮崩れをおこし、これによりトロミが出て独特の美味しさになります。
寒い日には、独特のトロミが特徴の「ほうとう」を召し上がってみてはいかがでしょうか。体がポカポカになりますよ!
最後までお読みいただきありがとうございました。