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旬のハマグリ! 口が開かないハマグリは危険?

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砂浜




こんにちは
春は、アサリやハマグリなど貝類が美味しい季節ですね。汁物に入れたりすると良い出汁が出て美味しいですよね。
ところで、ハマグリなどの貝は加熱すると口を開きますよね。これは新鮮だといわれる証なのですが、その理由って何なのでしょうか。あまり考えたことがありませんでしたが、少し探ってみたいと思います。
そこで今日は『ハマグリの鮮度』についてお話をしたいと思います。



旬のハマグリ


ハマグリ



 ハマグリは、 北海道以南~九州の浅海の砂泥底に生息する二枚貝です。日本では縄文時代貝塚から多く出土していることから、この時代にはら蛤を食材としていたことが分かります。日本には、古来の品種である、本ハマグリの他、チョウセンハマグリや、シナハマグリなどが生息しています。これらのハマグリは、食べるだけどではなく、平安時代には「貝覆(かいおおい)」や「貝合(かいあわせ)」の材料として、遊ぶための道具としても利用されていたそうです。


 また、雛祭りや結婚式などの祝い事に使われることも多いのですが、これにはハマグリの貝が対になったもの以外にはピッタリ合わないことから、「夫婦仲良く、一生同じ人と添い遂げられますように」という願いが込められています。



ハマグリを食べよう!

 ハマグリを選ぶときに素人には分かりませんよね。そこで外見からでも比較的に分かりやすい方法をご紹介します。


 一つ目に分かりやすいのが臭いです。臭いがしたら、すでに傷んでいる可能性大です。パックに詰められている貝や、量り売りの選び方も同じなので臭いのチェックは万全を期してください。


 次に注目すべき点は、「殻にあるツヤ」です。模様は個体差が大きいので、ツヤに注目して選びましょう。ツヤツヤとしていて、ふっくらと丸みを帯びた殻のものほど、良質な身が含まれています。


 最後に実際に手に取ることができる場合は、殻をぶつけ合わせてみましょう。ハマグリ同士をぶつけ合わせて、カチカチと澄んだ良い音がするものが鮮度の良いものです。1つの目安として覚えておくと良いですよ。



ハマグリといえば潮(うしお)汁


潮汁


 ハマグリの美味しいお料理といえば、あっさり潮汁は外せません。お祝いの膳などにもよく食されています。ハマグリを潮汁に使うのには訳があり、潮汁はクセの少ない魚介類で出汁をとって、その魚介類を実にします。味付けはシンプルに塩だけ、もしくは生臭さを消すために酒を少し入れます。素材の旨味をそのまま味わいたいから、ハマグリといえば潮汁なんですよ。だからこそ、調理前にしっかりと下処理をしてから調理します。ちなみに、タイやアサリ、シジミなども同じ考え方ですね。それではハマグリの潮汁の作り方を紹介します。



用意するもの (4人分)

  • ハマグリ 8個

  • 出汁昆布 1枚

  • 水 4+1/2カップ

  • 三つ葉 少々

  • 塩 少々

  • 日本酒 大さじ1杯



作り方

  1. ハマグリを薄いたて塩(水500ml対し、塩約15g)に入れ、3~4時間砂を吐かせます。

  2. 砂を吐かせた後、貝同士を擦り合わせてきれいに水洗います。

  3. 鍋に分量の水を張り、出汁昆布とハマグリを入れて中火にかけます。

  4. 沸騰させないように浮いたアクをすくいながら静かに煮立たせます。

  5. ハマグリの殻が踊り始めたら昆布を取り出し、火を止めます。

  6. ボウルに盆ざるをのせ、布巾を敷き、汁とハマグリを漉します。

  7. 漉した汁が4カップできたので、これを鍋に戻して火にかけます。

  8. 塩小さじ1杯強を加えて味を調え、煮立ちばなに日本酒大さじ1杯を入れます。

  9. ハマグリお椀に入れ、お椀に結び三つ葉を添えます。

  10. お椀に潮汁を張って完成です。



 ハマグリは水から入れてじっくり熱を加えながら材料の旨味を引き出すと良いですよ。煮立たせるとタンパク質が表面に皮膜を作ってしまい旨味を抽出できませんので注意しましょう。



ちょっと雑談

新鮮な貝は口が開く?

 新鮮な貝や採れたばかりの貝を火にかけると口が開きます。貝は、タンパク質があることで口を閉じていて、閉じることで、外敵から身を守っています。しかし、タンパク質は熱に弱く、加熱によりタンパク質の粘着力が弱まり開いてしまいます。


 加熱により口が開いたということは、直前まで生きていたという証になります。だから新鮮といえる訳なんですよ。


 ただし、貝柱の部分が壊れているハマグリは開かない可能性があります。こういったものは死んでいる可能性もあるため処分の対象にしてください。食中毒になってしまう危険性が高いので、絶対に食べないようにしましょう。


今日の最後に

 ハマグリが加熱により開くと鮮度が良いといわれる理由は、加熱をすると貝柱のタンパク質が変化して縮み、接着力が弱くなるため殻から外れて口が開きます。ということは、直前まで生きていたことになりますね。


 ちなみに、冷凍したハマグリは死んでいますが、タンパク質の腐敗を防ぎ、貝柱を動かすためのエネルギーはまだ残っているそうです。なので生きている貝と同様に加熱すると口が開くということです。


 ハマグリの旬は、春先の2月~4月です。

 ハマグリは、ビタミンB12がとても豊富!ビタミンB12は魚介に多く含まれる栄養ですが、その中でもハマグリは「100g中、28.4μg」と、生の魚介類ではトップ10入りをするほどの豊富さです。貧血の予防に関わる栄養の一つとして知られています。その他にもミネラル類たっぷりと含まれています。旬の美味しい時期に、一度は召し上がってみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。







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