お寿司やお刺身にワサビが付けられている理由
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こんにちは
お寿司やお刺身に付いているワサビ。
当たり前のように付いていますが、どうして付いているのか疑問に思いませんか。そこで今日は『お寿司やお刺身のワサビ』についてのお話をしたいと思います。
お寿司やお刺身のワサビ
お寿司やお刺身に付いているワサビ、その理由にはワサビの抗菌作用があります。
でもワサビには本当に抗菌作用があるのでしょうか。例えば、お寿司のワサビはほんのわずかです。あの量で抗菌作用があるとは考えにくいです。
ちなみに、抗菌作用とは、細菌の生育,増殖を阻止,細菌を死滅させる効果のことになります。一部に付けただけでは増殖阻止など考えにくいものです。
以前東京都は、ワサビの抗菌作用について、チューブ入り練りワサビや生のすりおろしたワサビで実験をしたそうです。対象は、サルモネラ菌や腸管出血性大腸菌o157。塗布した培地にチューブ入り練りワサビと生のすりおろしたワサビを置き、培養したそうです。 しかしながら、サルモネラ菌や腸管出血性大腸菌o157の繁殖が認められ、抗菌性は確認できなかったそうです。また、抗菌作用に有効成分であるイソチオシアネートは揮発性成分です。生の状態でも、温度条件等厳しく管理されていない場合、長時間留まって作用することは難しいと考えられています。
このことから、ワサビには抗菌作用はあまり期待できないことが分かります。
ワサビは何の目的で付けられているのでしょうか。
それは、魚の生臭ささを減らすためと考えられます。
刺身にワサビを塗っておくと、ワサビ中のアリルイソチオシアネート(AIT)という物質が作用し、魚の生臭さの原因物質であるトリメチルアミンの量が抑えることができます。ワサビを付ける理由は臭みをとることにあったと言えます。
これに加えてワサビには寄生虫の活動を弱める効果もあります。寄生虫とはアニサキスのことで、タラやサバ、サケやイカなどの魚に多く繁殖しています。刺身やお寿司にワサビを付けることで、アニサキスの活動を弱めることができるのです。ワサビの効果があるのは長くて1日ですが、この間に動きを止めてしまえば3~4日で排泄されてしまいます。しかし、ワサビがアニサキスに有効だからといっても、効果が現れるのは15分程経ってからなので注意が必要です。
結果、このようにワサビは、臭みを抑える、寄生虫を弱らせるといったことで付けられていることが言えます。そしてこの他にも、防カビ、抗虫作用、食欲増進などのためにワサビは付けられています。
ところで、ワサビが苦手な人はどうしたらいいの?
心配しなくても大丈夫です。お寿司と言えばつきものの緑茶が、ワサビの代わりに臭みを取り除いてくれますくれます。 また、カテキンには殺菌作用があるので、お刺身に付着した細菌にも有効です。
なお、熱い緑茶の方が効果が高まります。
今日の最後に
お寿司やお刺身に付けられているワサビは、魚の臭みを減少させ食欲増進させることが主な目的と言っていいでしょう。そして寄生虫の活動を弱くするということもあります。握り寿司が一般的になったのが江戸時代ですから今考えると、臭みを抑える、寄生虫を弱らせる、と言った考えでワサビを使うことは理にかなったやり方だったと思います。抗菌作用と言われていますが、本来の目的はこちらにあるので抗菌作用には頼らないことをお勧めします。
現在では本来の目的ではあまり使うことがないと言ってもいいでしょう。なので、私は料理の味を引き立たせる薬味と考えます。色々な意見がありますが、ちょっとした料理のアクセントでいいと思いますよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。